作品紹介
施主からの要望は、「家族の気配がわかるワンルームのような空間」です。実際には仕事のスペースやお子さんの遊び場など多様な用途が必要であることから、単純なワンルーム空間ではなく、緩やかに場が連続する空間を提案しました。
南北に長く配置した形状を活かし、6つの帯をレイヤー状に重ねていくことにより、空間を曖昧に仕切りながら、奥へ奥へと変化していく空間としています。
開口の重なりによって向こうの風景が見えたり、帯にぶつかって視線が途切れたりと、主体の動きに合わせて刻々と変化する視界は、様々なシーンを生みます。それらの集合体としてのシークエンスは変化に満ちています。
また、このフレームには設備・収納などの機能を集約しており、余白のスペースをフレキシブルに使うことを可能にしています。
西岡 梨夏
ソルト建築設計事務所
福岡県
https://salt-arch.com/
日本には「塩梅(あんばい)」という言葉があります。
塩は単なる味付けではなく、素材の旨みを引出す役割をしてきました。建築における素材『バショ・ヒト・モノ・コト』の力を最大限引出すデザインを目指しています。