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シンプルで大らかな空間で、ささやかな喜びを生み出す建築家 四方美紀さん

リノベーションされたマンションの事務所兼住宅での取材。お伺いすると、RCの天井にキラキラとした左官壁が印象的。
シンプルですっきりしていますが、造作家具や植栽も充実し、随所にお洒落が散りばめられています。

建築家を目指したきっかけ
子供の頃、実家の建替えで工事過程を間近に見 ていた事がとても印象に残っていて、その頃から 建築やものづくりに興味を持つようになりまし た。大学は建築学科に進学し、授業で様々な建築 を知り改めて建築とは素晴らしいなと実感。特に 雑誌でピーター・ズントーの作品を見てとても感 動しました。卒業後は数社の設計事務所で修行 し、それぞれの設計手法や多くのお客様の暮らし方を見て学んでいく中で、独立心が芽生えました。  夫は建築企業に勤めていて、日常的に意見交換をしたり、建築やギャラリーを見に行ったり、生活と建築が密になっていると思います。

住宅設計の拘り
お客様は友人や工務店の紹介、ホームページからのお問い合わせで、近年はリノベーションが多く、会話を通して、要望を引き出しながら設計します。シンプルで分かり易く、大らかな空間となるようし、いくつかポイントでお気に入りの場所となるものを取り入れることを意識して設計しています。また、将来を見据え、変化に対応できることも重要です。例えば、自邸のマンションリノベーションでは、抜け感を意識して、引き戸で空間を仕切り、開放すれば住戸全体に風が抜け、広く感じられるよう工夫。玄関からリビングに繋がる壁はベネチアンスタッコという漆喰壁に大理石の粉を混ぜ光沢感を出し、光の写り込みが美しく、気に入っています。現在は1LDKの間取りですが、将来は一角を仕切って、子ども部屋にする予定です。

仕事のやりがい
住宅設計は人によって生活の仕方が違うので、様々なライフスタイルをお客様からお伺 いしたり、新たな学びを得たり、多様な知識を積み重ねていくことを楽しく感じています。その積み重なった1つ1つをお客様に伝え空間を理解してもらうことで、より暮らし やすく、空間に愛着を持っていただけると嬉しいです。以前、住宅にDJブースを作って欲しいとご要望をいただきました。どんな造りにするか 希望をお伺いして、使い勝手や暮らし方、これからの生活の変化も踏まえて提案をしまし た。キャスターをつけて移動式にしたことでシーンの変化にも対応でき、お客様からとても喜んでいただけました。

今後の展望
コロナ禍に在宅時間が増えたことで、お客様も暮らしに対する意識が高まっていると感じています。
これから新たにどういった暮らしができるのかを一緒に考えながら、より良 い暮らし方の提案ができるように今後もさまざまな事を学びながら住宅設計を続けていけ たらと思っています。

編集後記
大らかな設計は、まさに四方さんの空気感や、穏やかな人柄そのもの。そして、学んでいくことが楽しい、細かいところまで追求されるその姿勢は、建築が本当にお好きなのだと感じました。お客様のお気に入りの場所をつくり、日々の生活にささやかな喜びが訪れるという優しさが素敵です。
いつか全国で四方さんの手掛けられた住宅を拝見できることを楽しみにしております。
四方さん、ありがとうございました。(廣瀬)

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