事務所にお邪魔すると街に馴染んだオシャレな外観と内装、ここは本当に設計事務所⁈
ご夫妻での建築家には初めてお会いするので、どのようにお仕事をされているのだろうと、興味津々でお伺いをしました。
建築家を目指したきっかけ
◇元さん:
高校は理系専攻でしたが、祖父が画家だった影響なのか、文系と理系の両方の要素を持っているデザイナーを目指そうと思いました。イタリアの工業製品デザイナーであるジョルジェット・ジウジアーロ氏のインダストリアルデザインに興味があり、そこを辿っていくうちに建築と出会い、その道を志すようになりました。
◇美穂さん:
子どもの頃、ブロックを使ったりしながら、間取りを考えることが好きでしたが、建物を建てるのは大工さんと思っていたので、建築家や設計士の存在を知り、好きなことが仕事にできるならやってみたいと、建築の道を目指しました。
設計の拘り
◇元さん:
ひとつの案件を2人で担当するようにしているので、お客様とのお打ち合わせや設計は2人で行います。私は主にプランニングや構造計画などのハード面を、妻はインテリアを中心としたソフト面を担当します。お客様の要望を形にしつつ、シンプルさと建てた後の生活を想像しながら設計を行います。
You tubeで14,000回再生されて好評だった「御宿台の家」は、60代のご夫婦が東京から移住し、海の傍に建てた終の棲家。DIYや料理など、モノづくり好きなご主人が思い描いたプランをベースに設計しました。軒の深い印象的な大屋根や、勾配天井の広々とした空間を提案したところ、とても気に入ってくださり、「建築家と一緒に建てているみたいだね」と家づくりをとても楽しんでいらっしゃいました。
◇美穂さん:
お客様の夢を実現したいという思いと、完成したときに「こういうの欲しかったです。」というサプライズをプレゼントできればいいなと思って設計しています。そのためにも現在の住まい方や困っていること、趣味、新しい家での住まい方など、細かいところまでヒアリングすることを心掛けています。時にはご家族間で意見が合わないこともありますが、両者の意見を徹底的にお伺いし、それをプランに反映し、満足していただけるものをつくっていくことが私たちの仕事と思っています。
お仕事のやりがい
◇元さん:
何もないところからつくり始めて、引き渡しのときに、お客様・職人・工務店など建築に関わった人たちと、一緒に喜べるものが出来たときにやりがいを感じます。
◇美穂さん:
大切な夢や財産となる建物の設計をご依頼いただいているため、完成したときにお客様が笑顔で喜んでいる姿を見るとやりがいを感じます。また、住んで暫く経ってから、年賀状などで快適に暮らしていますとご連絡頂くととても嬉しいです。
これからの夢
◇元さん:
全ての都道府県で建物を設計してみたいと思っています。暑さや寒さ、湿度、歴史、地形などを学びながら風土にあった住宅づくりに挑戦したいです。
◇ 美穂さん:
現在は住宅設計が多いのですが、併用住宅や店舗、病院などの公共施設や商業施設などに携わりたいです。住宅設計の経験を上手く融合し、新しい機能や技術を加えていきながら形にしていけたらと思います。
編集後記
お話をお伺いする間、朝倉さんご夫婦の素敵な空気感にとても癒されました。設計期間は約1年半と長め!お二人にとっては当たり前のご様子でしたが、お客様のお話をとことん伺い、考え方や方向性は同じ向きでも、それぞれ男性目線、女性目線で気持ちを汲み取れることがご夫妻建築家の素晴らしいところだと感じました。
真っ白の日本地図に建設した都道府県を塗りつぶしながら、いつか白い部分がなくなる日を心待ちにしています!朝倉元さん、美穂さんありがとうございました。(廣瀬)