事務所は緑が広がる新宿御苑からほど近い場所。取材前にホームページを拝見すると、作品はラグジュアリーな住宅から店舗やビルなど、種類が豊富。受賞歴やテレビ出演の数々もあり、設計に対するお考えやこれまでのご経験をお伺いできればと、取材を開始。
建築家を目指したきっかけ
建築家を目指す前は、機械設計をしていました。その設計は家電や乗り物など大量生産されるものが多く、設計図面は2次利用されることが一般的です。一方、建築はお客様の思いや感性を汲み取り設計するため、同じものがありません。そんなところに魅力を感じ、建築家の道を志しました。
株式会社大高建築設計事務所で8年間修行しました。時機に、お客様から直接設計の依頼をいただくことが続き、独立しました。独立後の作品は知人のクラブハウスで、当時は商業施設や公共施設中心に設計していました 。
住宅設計の拘り
お客様との信頼関係や共通の価値観を大切にし、十分に話し合い、双方が納得した上で進めていきます。住まいは、気楽で健康に住むことがことが一番です。そのため、自然の通風や彩光、素材や構造のシンプルさが重要で、特に自然素材は欠かせません。床材は人に触れている時間が長いため、自然素材を積極的に提案しています。そのような家を設計することで、建物の長寿命化や環境貢献にも繋がっていくと考えています。
南箱根の家では、全て材料は国産ものを使用。断熱材はセルロースファイバー、柱には新潟産の木、床も無垢材と材料1つ1つに拘り、気持ちの良い空間となりました。
お客様と共に楽しみながら建て、今でも良いお付き合いが続いています。
他に、ベランダやテラスから水回りを繋げることを意識して設計することも多くあります。
町田のマンションリノベーションではベランダからトイレと洗面所、風呂場を繋げました。テラスで遊んだ子供が、すぐに汚れを落すことが出来、お風呂場からは庭園のようなベランダ眺めて、非日常空間を味わえるようにしました。
お仕事のやりがい
建物が建って、お客様が喜んでくれることが1番のやりがいです。近隣の方から、景観が良くなったと声を掛けていただくと、世の中に良い影響を与えられたと街づくりに参加できたと感じます。
編集後記
機械設計から転身し、公共・商業施設設計を経て、これまでに積み上げられた知識とアイディアは豊富。その経験は住宅設計でも発揮され、人々が気楽で健康に暮らせることを大切にされています。今回、水回りの事例をご紹介しましたが、家事動線や非日常の演出など、高橋さんの熟年された技を多々拝見することができました。
高橋さん、ありがとうございました。(廣瀬)