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「人がその場所を愛せる」がコンセプトの建築家 西原有希子さん

 事務所兼ご自宅はHP上で「人が集まる家」という作品としてご紹介されています。
 玄関は無垢の木製扉と外壁と同色の内装塗り壁材がお出迎え、そこからリビングへ。
 大きな吹き抜けのリビングには1面、床から天井迄、大きな窓があり、そこから抜ける景色は自然豊かな山林。風も心地よく流れ、自然の中にいるような爽快感があります。
 こちらの建物の設計秘話等も併せてお伺いします。

設計の拘り
 設計に対しての拘りはあまりありません。しかし、自分で出来ることは自分でやることがあります。例えばこのキッチン。この家を建てる時にオーダーキッチンを検討したのですが、個性が強くコンセプトに合わなかったので、自分でキッチンの材料を選定、発注し、職人さんに仕上げてもらいました。お客様からもご要望あれば、やらせて頂きます。
 実はこの家を設計している時は妊娠中。つわりで具合の悪い中、設計図を制作していました。着工した時に出産したので、出産1週間後には配筋検査、とてもハードでしたね。

お客様との関係性
 ONE LIFEの作品は、お客様がシンプルに暮らすことがコンセプト。ワンルームのような間取りで、不要なものは全て削る。削った中には洗面所もありました。鏡や洋服の位置もご自身の生活動線の中でベストなところに設置。外壁はログハウスをイメージして、羽目板に。狭小住宅の中にお客様の想いが沢山詰まった作品です。

仕事のやりがい
 自分の中にある知識や経験だけではなく、お客様のお話をお伺いしながら、全く思っていたものとは違うものが出来た時の変化がとても楽しいです。建築家は、人とのコミュニケーションで成り立つ職業なので、そこを楽しみながらやらせて頂いています。

女性建築家として一言
 生活において、一番の中心は、奥様であることが多いですね。その事を考えると、家を建てる時の設計においては、奥様のご意見を丁寧にゆっくりと相手のペースでお伺いするようにしています。

編集後記
 ご近所のお付き合いもお上手な西原さん。周辺には畑をされている方やDIYで庭づくりを楽しんでいらっしゃる方と情報交換をしながらご自身の家にもオリーブを植栽さたとのこと。人と人とのコミュニケーションを大切にされる設計はとても素敵な作品ばかりでした。
 西原さん、ありがとうございました。

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