ホームページを事前に拝見すると、施工写真とブログにはお客様の出会いから、設計途中、完成まで細かく記され、原田さんの素敵なお人柄に感じられます。
建築家を目指したきっかけ
幼少の頃、長期休暇になると祖父の家に遊びに行き、大工職人として働いている姿を見ていた影響が大きいです。祖父は落人の集落だった静岡県佐久間町古民家に暮らしていました。薄暗いお座敷は怖い雰囲気と幽玄的な空間、そこに惹かれてお気に入りの場所でした。
中学生の頃には自分で間取りを描くようになっていて、豊田工業高等専門学校建築学科を専攻。卒業後は出江寛建築事務所に就職し、所長直々に実務を叩き込まれました。
竣工後の点検に同行した時に、ここは0.3㎜太かったなと言われたとき、その研ぎ澄まされた感性に驚愕。その後、木造のハウスメーカーとゼネコンの経験を経て、独立しました。
住宅設計の拘り
お客様の要望を出来るだけお伺いし、これまでの経験や知識を通して、長く愛される家に、することを意識して設計します。目立たずさりげないが、どこか居心地が良い建物。それは、出江先生の設計した住宅。シンプルな白を基調とした空間の応接間で、庭を眺めながら、お茶を飲んでいると、とても心地の良い空間。デザインをしなくても魅力的な建築が作れると知り、現在に至るまで追求しています。
設計事例
老津の家では、建築関連の仕事をされている方から、どこの建築会社でも相手にしてくれない…そんなご相談からお受けした作品です。構造や耐震等級、スキップフロア、キッチンデザインなど、多くの想いがある中、予算が厳しく度々中断して、一歩進んでは二歩下がる。着工してからの仕様変更にもお客様の熱意を感じて応じながら、2年の設計期間を経て、お客様らしい家ができました。
仕事のやりがい
基本は1プランで平面図、CG画像で提案。設計期間は1年程度、じっくり時間を掛けます。信用して依頼いただけること、提案して受け入れてもらえることがとても嬉しいです。
苦労することや大変なことも含めて、建築がとにかく楽しいです。
編集後記
事務所に飾られていた施工事例に小さな女の子が溢れるばかりの笑顔で、新しい家と共に写っている写真を拝見。家づくりの楽しさが詰まったその写真からもきっと居心地の良い空間なのだろうと想像できます。お客様の要望や無理難題にも真摯に向き合って、その過程も含めて、建築が楽しいとお話されていたのが印象的でした。
原田さん、ありがとうございました。(廣瀬)