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街に優しく、長く愛される家をつくる建築家 宮田恵実さん

 東京都三鷹市の井の頭公園の近く、閑静で自然溢れるこの地に住宅兼事務所があります。1階は鉄筋コンクリート造で、外部は打ち放し、2階は木造で外部は杉板張りです。景観に馴染むデザインがとても美しい建物です。

建築家を目指したきっかけ
 物心付いた時から建築には興味があり、土地を見つけては母に、「ここは何坪?」と聞いていたそうで、小学生の頃は夜中まで間取図を描いていました。その流れで建築家の道を志すようになり、日本女子大学住居学科卒業、東京都立大学院都市科学研究科修士課程経て、藤和不動産株式会社に勤務。この頃は都市開発や街づくりに興味がありました。
 一級建築士資格取得後に退職し、ネパールの建築プロジェクトの現地コーディネーターとして参加する機会がありました。同時期に参加していた外務省の知人は、経済的のマクロ的な視点で経済政策のアドバイスを担当。一方、私は現地の方の話を聞き、暮らし方やその場所を見て、地域開発や生活改善に取り組みました。

 この経験から、都市計画のような大型な建物ではなく、住宅のように、個々に向き合って設計し、集積して街づくりをしたいと思い、帰国後は泉幸甫設計事務所で経験を積み、その後独立しました。MOO空間設計室の名前の由来は、生まれ育った武蔵野エリアを走っているコミュニティバス「ムーバス」の響きが可愛いなと思って名付けました。

住宅設計のテーマ
 長く愛される家です。心を込めて設計し、お客様、設計者、工務店、職人、みんなの想いがあるものにしていきます。そして、お客様が手入れをしながら、住みたい、住みこなしたいと愛着を持てるものとし、暮らしがより楽しく、快適なものになると嬉しいです。

お仕事のやりがい
 住宅を建てることで、街が美しいものとなり、その一部を担っていることがやりがいです。お客様の要望を私たちのフィルターを通して、その土地、周辺環境を生かした1つの正解に辿り着くまで考え抜き、答えが見つかった時は、生命の誕生のようなエネルギーを感じます。
 自邸は、地下室、1階に事務所兼賃貸住宅、2階は居住スペースといった複合住宅。建物の形状は四角ではなく、45度折れた形にし、敷地から続く団地の緑道を分断せずに通し、街に溶け込むようにしました。その角度を活かし、リビングでメインの開口に対してキッチンは45度。天井の軸組の角度など、空間の強弱の変化を楽しめます。
 コンセプトは竪穴式住居のオマージュ。昔の人々は中央の柱に丸太を組んで家を建て、真ん中に火を焚いて集ったという根源の空間をイメージ。窓辺の腰掛けベンチや、壁際にソファーを周りに並べ、別々に座っていても中心が生まれるようにしました。

編集後記
 設計、人、住宅、街に対する様々な宮田さんの「愛」を感じました。長く愛される家を多く手掛けていただくことで、お客様に喜ばれるだけでなく、環境貢献にも繋がり、この時代には欠かせないものです。
 都市計画や、海外でのプロジェクトの経験を活かし、宮田さんの住宅が街に広がり、美しく住み易い街へと変化していくことで、日本がより良い国になるのでは、この先の未来が明るく見えました。
 宮田さん、ありがとうございます。(廣瀬)

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