取材は塩澤さんのご自宅で行いました。外観・内観ともに白を基調とし、とても明るい印象で、小さなお子様が3人もいるとは思えないほど手入れが行き届いています。ご両親と設計事務所を経営されていて、全員が一級建築士。ご家族経営の設計事務所の取材は初めてとなります。
建築家になったきっかけ
両親が建築家だったため、自然とその道に進むのだろうと思っていました。小学校の卒業文集では建築家が将来の夢。父・母の働く姿はかっこ良く、家族の時間も大切にしながら過ごしており、誇らしい仕事だと幼いながらに感じていました。大学院修了後、組織系設計事務所にて意匠設計に従事。現在は父・母の株式会社藤井建築空間設計に所属し、代表を引き継ぐ予定です。
住宅設計のこだわり
密集住宅地の計画が多いため、採光や通風といった居住環境とプライバシーへの配慮を両立させながら、開放感のある空間を提案することにこだわっています。 また、私自身、働きながら家事・育児をしており、その感覚を大切に、ユーザーの立場から細やかなご提案もさせていただいています。 お客様は多くの不安を抱えています。同じ視点に立って、お打ち合わせするよう心がけています。
設計期間は出来る限り短い時間で仕上げることを意識しており、ご提案を早くご希望のお客様にはとても喜ばれます。時間を掛けると昨今では、物価上昇が懸念されるため、コストの面でもご安心いただけます。
設計した住宅が完成して、お客様の喜んだ顔、実際に住んでみて快適です、と嬉しい言葉を掛けていただいた時、とてもやりがいを感じます。竣工後は1年点検を実施し、不具合や気になる点を確認しますが、いつでもご連絡くださいとお伝えしています。
育児をしながらの自邸設計
自邸であるShinpoの家では、白を基調としたシンプルなデザインにしました。息子3人と背の高い主人がいるため、将来を見据えて圧迫感の軽減を意識。LDKは回遊性、水回りは広めの洗面所にトイレ、脱衣、洗濯機、浴室を集約。徹底的に家事・育児効率を考えました。おかげ様で毎日ストレスなく過ごしています。
子ども部屋になる予定のロフトは、収納スペースとしてもお使いいただけるため、お客様にも提案することが多いですね。
この家を計画しているときは、2人目の育児休暇中。睡眠が少ない中、時間を見つけては設計をしていました。その当時は東京にいたため、母に現場監理をお願いし、ビデオ通話で確認。子育てと並行して、とてもハードでした。
また、以前勤めていた事務所では、子育てをしながら設計に携わる人がおらず、率先して子育て世代としての働き方を提案しました。いつか、自身の事務所の規模を広げ、建築家を志す人がそういった苦労なく、またキャリアも損なうことなく、一緒に良い環境で良い建築を作ることができたらと思います。
設計事務所と建てる家
全力でお客様の代理人として、家づくりを出来るのは建築家だけと思います。設計事務所に依頼することは敷居が高いように思えますが、デザインだけでなく、個々の要望や生活スタイルに沿った生活動線や居心地の良さなど、目に見えない付加価値を提供いたします。
編集後記
設計のスピードは、これまで多くの設計を手掛けてこられたお父様ゆずりのスタイルなので、安心して依頼することができます。設計を早くご希望のお客様は是非塩澤さんにご相談ください。
仕事に子育てに奮闘されていますが、年に1回の国内外のリゾート地でゆっくり過ごすことがモチベーション。いつかリゾートの別荘やホテルも設計してみたいと伺いました。
今後もパワフルに、女性建築家が憧れる建築家の1人としての活躍を心より応援しております。塩澤さん、ありがとうございました。(廣瀬)
株式会社藤井建築空間設計 https://www.fujiiarchitect.com/