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初心に返りながら、丁寧な仕事をし続ける建築家 渡辺純さん

建築家を目指したきっかけ
 想像力や感性を活かし、表現できる仕事に就きたいと思っていました。友人のお父上で有名な建築家が2人いて、そこの家に出入りしているうちに関心を持つように。東京大工学部建築学科に進み、卒業後、丹下健三都市建築設計研究所に就職。大型のプロジェクトをいくつも経験し、幕張メッセの設計が評価され、アメリカのテキサス大学で専任助教授となり、独立するきっかけとなりました。20年間設計事務所を運営しながら、壇上に立ちましたが、自分の本来の夢は建築家だったと初心に返り、設計業務に専念することに。

住宅設計の拘り
 ホームページ経由での問い合わせが殆どです。クライアントは20代から60代の方と幅広く、住宅を始め、大型なプロジェクトや児童養護施設なども経験しました。設計期間は住宅規模で8ヶ月程度、最初のプランは1案をご提案。
 お客様のご要望をお伺いし、建築家として1歩下がったところから、敷地や住まい方、予算など、全ての項目に対し、気付いたことや、発見したことを取り込み、満足していただけるものにします。そのためには、お客様と協働することで信頼関係を築き、その後も末永くお付き合いさせて頂いています。
 代々木上原の事例では、4人家族で建築に関心のあるご主人からのご依頼。同じ敷地に自邸とお母さんと叔母の家を1つ屋根の中で繋げて欲しいとのご要望。南側はプライバシーを守るため、アルミパンチングパネルを提案。毘沙門亀甲の柄をしており、開口率は50%以上で、日中は明るく外も見ることができます。縁起の良い柄と華やかさがあるとのことで大変喜んで頂けました。竣工後、お客様に嬉しい言葉を頂いた時は、この仕事をして良かったと思います。

今後の取り組み
 設計事務所に専念するようになって12~13年経った今、初心に返り、良いものを生み出せば、次の仕事に必ず繋がると思っておりますので、建築家として誇るべきものをつくり続けていきたいです。  

編集後記
 取材の帰り道、住宅街の一角にある代々木上原の事例を拝見。シンプルで街に溶け込んでいるように感じますが、お伺いしていた毘沙門亀甲の穴アキパネルが上品で高級な雰囲気を醸し、緑の木々と調和していました。
 海外の大学教授や大型なプロジェクト、グッドデザイン賞や日本建築家学会賞を受賞されている渡辺さん。とても華やかな実績ですが、それは渡辺さんのこれまでのご経験と丁寧なお仕事をされてきたことの賜物でした。 渡辺さん、ありがとうございました。(廣瀬)

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