建築家を目指したきっかけ
インテリア専門学校在籍中、積極的に建築家のセミナーや講演会を受講し、学内の非常勤の講師の先生と会話するなど、色んなところに顔を出しているうちに、建築家の設計する建物に興味を持つようになり、長期休暇には設計事務所でアルバイトをしました。卒業後は中規模の設計事務所に就職したのですが、なぜか構造設計部に配属されてしました。そこで、構造設計部に勤めながら、恩師の設計事務所でコンペや締切前のお手伝いをし、転職の機会をうかがうことにしました。正式入社後は住宅を担当。その後もゼネコンや設計事務所、社会人修士として大学院へ通い、独立しました。
住宅設計の拘り
お客様がしたい暮らし方、好きな暮らし方を中心に沢山お伺いして、暮らしの在り方を提案。設計期間は基本3~4か月。プランを見ながら、そこで出来る暮らしをイメージして頂き、修正を重ね1つの形にしています。
設計事例
鵜沼の二世帯住宅は学生時代の友人からの依頼です。
ご両親は元々広い敷地の平屋にお住まいで、大きな庭のある家をご希望でした。必要な部屋を確保すると難しかったため、小さな庭を分散して配置し、どの部屋からも庭が眺められるようにし、大きな庭にいるような家としました。一方、若夫妻は1階への生活音への配慮から、3階建てを望まれていました。3層のボリュームを縦横に最大限伸ばすことにより、床や天井の高低差や形状がアクセントとなり、プライバシーを守りながら、楽しい空間となりました。外観はこのエリアの景観条例を検討しながら、周辺の建物に対して目立ちすぎないように屋根や色に配慮しています。
お仕事のやりがい
お客様と共に検討したものが形になっていくと感動します。その反面、精一杯やり切ったら、そこへ掛けるエネルギーは区切られてしまうため、寂しい思いもあります。
お客様のご要望は1つの重要な設計条件で、それに付随して、建築家としてのテーマや今考えていること、敷地条件などを考慮しながら作り上げていくことにやりがいを感じます。
編集後記
自宅兼事務所で、仕事と私生活が一体となり幸せと生粋の建築好き。成り行きでここまで来たと謙遜されていましたが、人生の分岐点でしっかり決断されて今があります。人生120年時代なので、これからも頑張りますと意気込みもお伺いし、今後のご活躍がとても楽しみです。
プロフィールにまちと建築、デザインとアートと絵本…それから猫が大好きですとありました。取材中は大人しく姿を見せなかった猫のダイキチ君が可愛らしくお見送りをしてくれ、とても癒されました。
川澄さん、ダイキチくんありがとうございました。(廣瀬)