作品詳細
敷地は、西から東に4m下がるひな壇状の傾斜地。
開いた東側には、隣山の尾根が揺るやかに盆地へと続いています。敷地の東端からは、南に富士を遠望することができます。その敷地のポテンシャルを生活空間に取込む計画です。
道路側が高いこの敷地では、玄関から、薪ストーブのあるLDK、季節の飾りをする客間が2階になり、ストリップ階段を降りた1階が、大きな本棚とピアノのあるファミリールームを中心とした寝室フロアになっています。それぞれの階に、それぞれの場所で必要な収納を十分用意されているのも隠れた特徴です。
また、基礎断熱された1階床下と、薪ストーブの熱気が溜まる吹抜天井の空気とを循環させるダクトによって、冬は薪ストーブの熱で1階を温め、夏は床下の冷気で2階のリビングを冷やすという建物全体の温熱環境を考えた住まいとなっています。
構造規模 :木造2階建て
敷地面積 :300.63m²/90.94坪
建築面積 :115.14m²/34.83坪
延床面積 :193.70m²/58.59坪
家族構成 :4人(夫婦+子供2人)
ロケーション:山の中腹
床 :床暖房対応オークフローリング
壁 :クロス
天井 :オーク板張り、クロス
外壁 :モルタル下地ジョリパット吹付
屋根 :ガルバリウム鋼板 立平葺
その他 :薪ストーブ 循環ファン
磯村 一司
株式会社ギルド・デザイン一級建築士事務所
東京都
HP:https://www.guild-design.com/
敷地条件や周辺環境から考えること、例えば、建物を開くべきか閉じるべきか、閉じた建物であっても、陽の入れ方、風の通し方などをどう確保するかを考えます。もちろん、建物の高断熱化や耐震性は、基本的におさえておかなければならない事です。
その基本をベースとして、住まい方、物の使い方、趣味、デザインなどを打合わせ、模型やスケッチ、図面を通して、イメージをできるだけ理解していただく。そんな作業の積み重ねが、住宅設計だと思います。
そこから生まれてくる姿は、シンプルで、出しゃばらず力強く、さわやかでありたいと思っています。そして、部屋のつながり方(空間のつながり方、広げ方)に個性を持たせたいと思っています。
そういう住宅が、生活を始めて、年を重ねるごとに施主の個性の映えるような住宅になっていくのではないかと思っています。
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