作品詳細
お寺の境内の中に、家をつくりたい。そんな住職からの話からはじまった。400年続くこのお寺の中に建てると言う事は、やはりその廻りの建物との共存が前提となる。まずは、そのお寺としてのあり方や考え方から検討を始めた。その昔 お寺は寺子屋など人の集うところであった。集まることで、地域の交流が生まれ、活動の拠点となっていた。現在 お寺は葬儀をするのみの場所となりつつある。住職としては、昔のような多くの地域の方が集まる場所にしたい、その一つの施設として、家を計画して欲しいといわれた。家つくりを単なるプロセスと考えるのではなく、その工事自体もお寺に人を呼ぶキッカケにしようと考えた。まず、工事をする職人は、お寺関係者を問わず、地元地域から集めた。この工事だけのための寄せ集めの職人で、どこまで工事できるか心配もあった。しかし、予想は外れ 各職方が、選ばれた責任をしっかりと持ち、役割をしっかりと果たした。地元地域の職人でつくったことで、近隣ではうわさとなり、完成時には多くの見学者が訪れた。また、このお寺は、毎月 落語家さんなどを集め、檀家さんはじめ地域の人を招いて交流を行っている。多様な来客があり、ゲストルームを併設することも望まれた。見学から訪れるゲストに対し、お寺の風景に馴染むこの機の家は、癒しの空間となるように考えた。
伊藤 昭博
有限会社HIRO建築工房
群馬県
https://hiro-arch.com/
HIRO建築工房は、お施主様の希望や敷地条件としっかり向き合い、一つ一つ丁寧に提案し創ってまいりました。
また、ものづくりにこだわり、工事を行う職人さんとのコミュニケーションも大切にしております。
誰のために?どこの場所に?誰が設計するか?誰が施工するか?
人と人の出会いを大切に、そこでしかできないオンリーワンの家をつくりたいと考えております。
事務所設立より19年で設計数 約100件。1年間で5~6件。決して多い数字ではありません。
HIRO建築工房は小さな会社ですから、同時期にたくさんの仕事を承ることができません。
しかし、ゆっくりと丁寧に、どこにも負けない建築をつくってきた自信があります。
小さな会社であるHIRO建築工房が、建築設計を続けてこられたのは、
依頼いただいたお客様とそれを実現するために協力いただいた職人さんたちと私たち設計者の3者が力を合わせ進めてこられたからと思います。
関わった多くの方に感謝するとともに、これからも皆様に喜んでいただける家づくりをお手伝いしたいと思っております。