作品詳細
南向きのゆるい斜面はしっかりとした岩盤の上にあり、表層は一面の芝生に覆われていました。
提案したのは、斜面と芝生を残したままで平屋の住まいをのせる、自然と共にあるプラン。コンクリート擁壁などでの平地づくりはしませんでした。
南側道路からの視線は高低差を利用しておだやかに遮り、木製の引き込み戸で大開口を造って、お日様も風も充分に取り込みました。すべての居室がベランダを通じて外部とつながり、空間が豊かに広がります。
柱・梁をはじめ、ほとんどの木材は地元、龍神の山から切り出しました。目込みで色味が良く高い強度を誇る紀州材は、構造材として住まいをしっかりと形づくるとだけでなく、心安らぐ意匠づくりにも存在感を発揮しています。
土や和紙など天然素材の調湿・蓄熱などの特性もよく生かし、機械依存の少ない住空間づくりに繋げています。
中村伸吾
中村伸吾建築設計室
和歌山県
https://n-shingo.net/
建物は地域の文化・伝統・風土といったものと切り離して考えることはできません。
目先の利便性や合理性、あてがわれた価値観などにとらわれすぎることなく、「いかに気持ちよく、その人らしく、その土地らしく住まうか。」を大切にしながら、感動にあふれた空間づくりを心がけています。
ギャラリー
<木の家工房Mo-ku>
HP:https://n-shingo.net/mo-ku/
Mo-kuは本物の木の家を体感していただくためのギャラリーです。手ざわりや香り、空間の気持ちよさなど、ご自身の五感でしか確かめられない、大切なものをお伝えしています。
快適な暮らしのための多様なご相談にも、お応えいたします。