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空気感をデザイン!愛着をもてる空間をつくりだす建築家 石本輝旭さん

 HPに掲載された旧事務所の写真、「ダイナミックなインテリアの演出のため、インテリアの実験の場」とのことですが、全体的にモノトーンのシックな空間に素敵なフォルムの照明、バーカウンター、ビリヤード台、あれ、どこでもドア⁈ 色々聞きたいことが溢れた中で取材を開始。

建築家を目指されたきっかけ
 音楽、ファッション、インテリアと興味はありましたが、インテリアの道に進むことを決めました。エジプトに行った際、イスラムの礼拝堂で見た美しい照明に感銘を受けて、インテリアを突き詰めてみようと思い、建築家の道を目指しました。
 建築とインテリアを分けて考えるという発想は一切ありません。その二つを統合しながら考えるトータルデザインが、とても大切だと思っています。当社の設計事務所はインテリアへの拘りをしっかり持ち、その考え方に共感してくださるお客様から設計のご依頼を頂いています。

設計への拘り
 インテリアや間取りを空間デザインと捉えると、「居心地が良い」という感情的なことは空気感をデザインすることだと思っています。そして、空気感をデザインするために大切にしていること、

①インテリアの基礎となる色と素材と配分
②点灯していない時の照明のフォルム
③内と外の境界線、室内と屋外をボーダーレスにすることで実際の床面積以上の空間を生み出す
④研ぎ落した後にクライアントの個性をプラスして愛着の沸くデザイン
⑤ディテールはスイッチひとつにも拘る
⑥オーダー家具
⑦構造とボリューム
 「建築」と「インテリア」の境界線をなくし、目には見えない何か=空気感」をデザインする。これが当社のアイデアです。

お客様との関係性  
 ハウスメーカー、工務店、設計事務所にて既に基本設計が終盤に差し掛かっていた東京に建築予定のお客様より、設計のご相談を頂きました。海外に長く勤務されていたお客様は、子供たちにもグローバルな活躍を期待したいというお話をお伺いし、海外での暮らしに必要なことはコミュニケーションの能力を高めることだと思い、会話の場が住まいの中心と位置付けることができれば、自然とその能力が高められると考えました。リビングをなくし、ダイニングを充実させることをご提案させていただきました。
 自己PRが必要不可欠な海外の生活では日本のこと、家族のことを聞かれる可能性が高いと思い、日々の生活の中で日本のカルチャーを感じられるイベントを、気兼ねなく行う暮らしがグローバルな活躍をするための第一歩と捉え、例えば海外でも人気な「日本産ワインを楽しむ会」などを生活の一部に組み込むことを計画しました。ご主人が将来、子供たちとの晩酌を楽しみにされていたので、この体験を提案しようと思い、ワインを3本お持ちしてプレゼンをさせて頂きました。何十枚もの図面やプレゼン資料より、シーンを演出して体感頂いた方が、お客様にご理解頂けるのではと考えました。結果、2社より出遅れたご提案ではありましたが、ご採用頂くこととなりました。
 靴を育てると表現をする位、靴好きなご主人と、割れた器に漆を使って修復する伝統的な技法「金継ぎ」がお好きな1級建築士の奥様、お二人のお好きなことを組み合わせて設計したのは、6帖の玄関。靴をお手入れできるスペースの床材にはモルタルを使用。わざとクラックが入るように施工したため、1年後そのクラックへお客様自ら金継ぎをしていただきました。引き渡し後も住まいに愛着を持って頂きたい、そのような思いの設計が実現しました。

■編集後記
 お客様との関係性は、他にもディズニー尽くしをご希望のご夫婦やカリフォルニア風の設計をご希望のお客様、南側に大きな擁壁がある土地を所有のお客様と、お伺いし、石本さんの手にかかると、それらは想像を遥かに超えた建物となっているお話をお伺いしました。お客様の要望をしっかり見つけて、愛着が生まれる住まいづくりをされる石本さんにご依頼をご希望の方は是非、まずはHPで作品をご覧ください。
石本さん、ありがとうございました。(廣瀬)

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