作品詳細
海外生活を長く続けていた60代のご夫妻は、日本に戻る前に住んでいた地中海を望む場所のような土地を探し、終の住処となる家を計画した。周囲に田畑が広がる郊外、遠くに海を眺めるなだらかな斜面。手持ちのさまざまな家具を置きたいという要望を踏まえ、この立地を活かし、周囲の景観に馴染みながら眺めを取り込む建築を目指した。
室内は暮らしを受けとめる、白磁の器のイメージとし、ニュートラルな状態をつくることを第一にした。壁や天井に取り付けるものを最小限に抑え、楚々とした空間をしつらえた。このクライアントであれば、その暮らし方でもって、きっと空間を美しく彩ってくれるであろうと全幅の信頼を置いて。
LDKの海側一面の大開口により、室内と景色がまるで一体となったような空間。そこにはゆったりとした穏やかな時間が流れている。
西下 太一
西下太一建築設計室
愛媛県
HP:https://www.nishishita.com/
いい家づくりを始めるためにまずしなければならないことは、建主と建築家の間に「共感しあえる関係」を築くことだと考えています。考え方の根底を流れるものにどこか通ずるものがあれば、相乗効果によって、必ず素晴らしい建築を生み出すことができます。まずは私たちの建築に対する想いをご覧いただき、どこか心に響くものがあれば嬉しく思います。