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建築家

都道府県

House H 2021 神奈川県

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作品詳細

1980年代に丘陵地を宅地開発した段丘状の造成地の一画で、敷地南側には街路樹や庭が並び、建築協定によって緑豊かで良好な住環境が計画的に作られた郊外の住宅地に建つ住宅です。
豊かな周辺環境を生かしながら、お施主さんが住まい方を見つけることができる住まいを目指しました。
庭の地面は緩やかに傾斜させ、内部には4畳半の段床を並べ、それが屋上まで連なる小さな丘のような居場所を作っています。
それぞれの居場所は空や周辺の緑、人の気配を抽象化した光天井、屋上まで繋がる吹き抜け、荒々しい杉の表情を現した勾配天井、光を鈍く反射する低く白い天井など多様な空間性を持たせています。
最も奥の空間に住まいのコアとなる水回りと主寝室を配置し、それ以外がフレキシブルに使える居場所の集まりとしました。
内部の段差は、物を置く、座る、子供が遊ぶ、犬、猫が登るなどの様々な行為を想起する350mmという抽象的な段差が連なっています。これは使える空間を見つけられる状態が空間をより豊かにすると考えたからです。
また、各階には用途のない空間があります。
便宜上、サンルーム、ホールと呼びますが、実際の用途はライフスタイルの変化や生活の中でのつぶさな行為に追従する曖昧な空間です。

所在地 :神奈川県
主要用途:住宅
家族構成:夫婦+子供+犬+猫
竣工  :2021年12月
敷地面積:223.97㎡
建築面積:67.53㎡
延床面積:134.96㎡
構造  :木造+一部RC造 地下1階地上2階
設計  :岸本吉正設計事務所
構造設計:村田龍馬設計所
写真  :山内紀人

岸本 吉正

岸本吉正設計事務所
東京都
HP:https://www.yk-as.com/

設計とは生活の種を蒔き、それがよく育つように環境を整えることだと考えています。
生活の種とは、生活のかたちをつくる原理です。
そのかたちは時代や自然に呼応したもの、あるいは人の心に響くものであったりします。
そして次世代の種をつくるかたちでもあります。
使い手がうまく育てられる建築を理想としています。

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