作品詳細
旧市街地の建て替え工事である本計画の敷地は、前面道路から約40センチ上がった位置にあります。この40センチに、敷地面から1階の床面までの高さを加えた 「前面道路から1階床面まで」 の高低差はおよそ1メートルです。この高低差で、各動線の適切な段差処理と、駐車・駐輪スペースの面積確保を共存させるために、まず、玄関ホール内に階段、サービスヤードには階段と斜路をそれぞれ設けて、面積を必要最小限に留めました。他方、将来的なバリアフリーの動線は 「リビングから庭を経由して駐車場に至る」 経路とし、リビングと庭を繋ぐ、緩衝地帯のウッドデッキ(屋根付き)の外部側に、将来緩勾配をとれるだけの長さ(面積)を確保しています。道路から一段上がった位置に建つことによって建物外観が 「腰高」 とならないよう、2階居室は小屋裏空間を室内に取り込んで建物全体の高さを抑えながら、吹抜と繋いで開放感を高めました。吹抜を介して一体の空間となる1、2階の各室は、暖房を床下エアコン、冷房は2階に設置したエアコンの、それぞれ1台で賄っています。冬の朝と夕方に、敷地の上空ほぼ真上を往って戻る、ハクチョウの姿を楽しむことができるように建物東・西側それぞれの窓は、バードウォッチングがご趣味のクライアント様ご夫婦の使い向きとご要望に沿いながら、配置と大きさ、窓種を決めてゆきました。
渡邉 浩二
渡辺浩二設計室
鳥取県
HP:https://navecozy.com
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