作品詳細
横浜の丘陵地の中にある、21坪ほどの小さな3角形の変形地に建つ狭小住宅。
西側と南側の2辺が坂道に接し、土地は西側道路よりも擁壁を界して2mほど高い。
この既存のコンクリートブロックの擁壁を基壇として、その上に木造の箱が載る構成をもつ住宅である。
この土地の特徴は西側道路の向かいにある、急斜面に広がる樹林である。すべての居室から、この樹林を少しずつ異なった姿で眺められるよう計画された。
コンクリートブロックの擁壁をえぐる形で地下の駐車場、エントランスを確保し、その上の木造の箱の中に主な居住スペースを配置した。
木造の箱の西側に6mほどの高さのある吹き抜け空間をつくり、そこに大きな3角形の開口部とトップライトを設けた。
3角形の開口部は、斜め向かいにある住宅や前面道路からプライヴァシーを守りつつ、自然と視線が樹林の上部へと促されるように考慮した結果である。
トップライトからの光は、北側の6mほどの高さのある大きな壁を反射板として、1階、ロフト、2階んの居室へと導かれるよう配慮した。
そしてこの吹き抜け空間とトップライトが木造の箱全体に緩やかな繋がりをもたらし、異なる階のそれぞれの居場所にいる住人同士の気配が感じられる住宅となっている。
所在地 :神奈川県横浜市
敷地面積:69.33㎡(21.01坪)
延床面積:100.24㎡(30.38坪)
構造 :RC造+木造
規模 :地上1階+地上3階+ロフト
建築施工:吉野建設
竣工年 :2014年
佐藤 森
プラスゼロ一級建築士事務所
神奈川県
HP:http://pluszero.info
人は誰でもデザイナーです。何時に起き、何を食べ、誰と過ごし、何を着て、何をするか、常に人はそれぞれに時間を生活をデザインしています。私たちはそういった人たちが時間を過ごす場所としての建築、そういった人たちが集まって生活をする場所である住宅、を設計する手助けが出来たらと思っています。
設計とは単なる製図ではありません。人の生活とか、住む人の心理や価値観といった目には見えないものを、寸法と線によって形にしてあらわしていくのが私たちの仕事です。