作品詳細
京都市に点在する店舗付き併用住宅を改修し、猫と快適に暮らす住まいとした計画。施主からの要望として最優先に掲げたのは2匹の猫たちにとってストレスなく暮らせる家づくりであった。1階から3階のロフトまで縦横無尽に動き回れる立体的な猫動線を描き、高低差のある設えを自由に登り降りしたり、気分に合わせて昼寝の場所を変えたり、猫のテリトリーが広がるように計画した。建築資材やインテリアもできるだけ猫にやさしい設えと傷や汚れに耐えうる素材選定を行い、そこへ人の暮らしに必要な要素を加えていきお互いストレスフリーになる改修を目指した。不要な壁を取り払う事によって動線を単純化させ、キッチンの位置を変更することで一筆書きの回遊性プランとなっている。随所に取り入れた色には光を与えるように開口部や照明を計画し、空間に広がりや締まりが生まれることを意図している。本能を刺激する楽しみが増えた猫たちの日常はいきいきとし、運動量も増えたことで身体が引き締まり健康になっている。施主もその姿を日々そばで感じ、断熱や温熱性能が向上した住居環境で生活することで心身共に健康的な住まい方が実現できている。
所在地 京都府京都市
主要用途 店舗併用住宅
家族構成 家族1人 猫2匹
部屋数:1LDK
ロケーション:住宅地
建築面積 29.35m2
延床面積 88.05m2(26.63坪)
構造構法 鉄骨造
規模 3階建
設計期間 2022.6〜2022.9
工事期間 2022.9〜2022.12
構造 宇治川大園建築設計事務所 (構造アドバイス アトリエSUS4 能戸 謙介)
宇治川 和樹 大園 未来
宇治川大園建築設計事務所
HP:https://ujigawaozono.net/
夫婦ふたりで京都を拠点に活動する建築設計事務所です。
私たちは「住まい」を「暮らしの中で美しく古びていく器」のように使い続けていくほどに味わいの増す素材で作り、劣化ではなく経年変化と感じることができれば、人は愛着を持って建築と向き合うことができると考えております。
「建築」とは建築につながる歴史、都市、文化、芸術、技術、法律などを総合的に把握してあるべき未来を構築することだと考え、人の気持ちに寄り添いながら、「空間の繋がり」から「人の繋がり」が生まれる場所を設計していきます。