作品詳細
見えない空気と熱がデザインされた小さな家
ハウスメーカーの分譲住宅地に立つこの住まいは、北側に素晴らしい緑あふれる遊歩道を持つにもかかわらず、周りの住まいは、大きな住宅の壁が立ちはだかり、南のメイン道路と北側の遊歩道のつながりが希薄で、この地の魅力を引き出す佇まいになっていないと感じました。
南北に緩やかにつながるような設計が住まい手にも、町にとってもメリットがあるのではないか?と思い、南北が抜けて、高さを抑えた、控えめな佇まいとしました。まるで沖縄の伝統的な民家のような佇まいです。
内部は、自然エネルギー(空気集熱式ソーラーシステム)を利用し、快適に暮らせるよう、空気と熱を動きをもデザインするように心がけました。
住宅は眼に見えるものだけでなく、「見えないものをデザインする」ことが大事。
シラスを原料としたシラス製品は空気質を浄化し、住まい手の健康に寄与するだけでなく、将来、廃棄するにあたっても産業廃棄物にならない、始末の良い素材となっています。 そのような素材の選択も見えないものをデザインすることにつながります。
所在地:茨城県
設計:伊礼智設計室
施工:自然と住まい研究所
延床面積:100、8m2(30、5坪)
構造:木造2階建
守谷の家の主な仕上げ
屋根:ガルバリウム鋼板平葺
外壁:そとん壁
内壁:薩摩中霧島壁
床:赤松
伊礼智
有限会社伊礼智設計室
東京都
HP:http://irei.exblog.jp/
1959年 沖縄県生まれ
1982年 琉球大学理工学部建設工学科計画研究室卒業
1985年 東京芸術大学美術学部建築科大学院修了
丸谷博男+エーアンドエーを経て
1996年 伊礼智設計室開設
2016年〜東京芸術大学美術学部建築科非常勤講師
<主な著書>
2009年 伊礼智の住宅設計作法(編集/新建新聞社 発行/アース工房)
2012年 伊礼智の住宅設計標準化から生まれる豊かな住まい(発行/エクスナレッジ)
2014年 伊礼智の「小さな家」70のレシピ(発行/エクスナレッジ)
2017年 伊礼智の住宅デザイン デジタル図面集 (発行/エクスナレッジ)
2017年 伊礼智の住宅設計作法Ⅱ確かな住宅設計のための一問一答 (発行/新建新聞社)
2018年「オキナワの家」が復刊ドットコムより復刊される
2021年 伊礼智の住宅設計作法Ⅲ 「心地よさの ものさし」(発行/新建新聞社)