和歌山 吹上の家

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作品詳細

時代と共に変わる暮らし方や住宅性能など建築に求められる変化への対応に伴う、三世代が住み繋いできた旧家の建て替えである。創り込まれた南の庭、門と新しい家との関係を計画する。建物を大きな弧を描く計画とし、門を潜った先の北エントランスは内に閉じた弧で囲われた静かな場所とし、対照的に南の明るい庭に面した開口部は外に大きく広がる弧を描く動的な場所とした。室内と室外との境界を曖昧にし、普段の生活の中に息づいた庭をより身近に感じるようにしている。

多くの古材が見つかり仏間の腰板、敷板、など各所に使い残った廃材の板をエントランスのニッチに飾り付け、ギャラリーの大小のニッチには先代の美術品が納められ想いや記憶が蘇る。静かなエントランスから北側に沿って創られたギャラリーを通り、狭いアプローチから南側に開いた美しい庭へと広がる。過去と今そして未来が繋がっていく事を望む。

所在地:和歌山県和歌山市
用途:住宅
構造:木造2階建
敷地面積:1,490㎡
建築面積:331㎡
延床面積:462㎡(139坪)
施工:赤土建設
竣工:2020年
性能:高気密、高断熱
耐震等級 等級:3等級
隙間係数 C値:0.20㎠/㎡
特徴:書斎、耐震構造、防犯・防火、エコ省エネルギー、健康・自然、ロフト、ホームエレベーター、SDGs
撮影:中津川 隆康、※ken-ken inc.,

河辺 近

ken-ken inc.,
神奈川県横浜市
https://ken-ken-a.co.jp/

2022年4月――
事務所の立ち上げから32年目。この日を迎えることができたのは、周りのたくさんの支えがあったからだと実感しています。

子どもの頃の夢は、未来の街、都市、そして建築を創造すること――
20歳代で設計の仕事に就き、国内海外の様々なモノや場所を見て廻り、その中で日本の文化、四季の美しさ、日本人の奥深い感性や美意識に改めて感銘し、私が今日、建築家として歩んでゆくための何かを見つけた様に想います。それは、一生成長しようとする気持ちから生涯勉強をし続け、学びの道には終わりがないと悟ったことだと。

建築の中でも特に難しいと感じる住宅――
それは、その場所に住まう方がいて、そこに時間が存在すること。一年経てば人は歳を一つ重ね、二十年経てば小さな子どもたちも巣立ち、新しい二人の関係が始まります。時間とともに変わりゆく人の気持ち。この想いが住宅という空間を別のモノに創り上げていきます。

今、自分が成し得ることは何か――
住まう方の想いを大切に、四季や時間の流れ、さまざまな自然の色のうつろいを日常生活に取り入れ、粋・艶・間・陰、そして美しく、心地良く、気持ちの良い空間を創り出すことだと考えています。

建築は面白い――
32年前も現在も、その想いは変わりません。私たちが環境を見つめ、人と人、人と家、人と街を結ぶきっかけとなり、様々な出会いによって新たな絆を繋ぐ様な暮らしと家づくりのお手伝いをこれからも続けていきたいと想っています。

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