建築家を目指したきっかけ
幼少の頃から絵を習っていて、工作も好きでした。初めての有名建築体験はオーストラリアシドニーのオペラハウス。キラキラしていてとても綺麗で、ずっと頭に残っていました。結果、小学校の文集では将来の夢は大道具さん、その時は未だ建築が全くわかっていなかったですね。大学進学時に建築学科を知り、目指すきかっけとなりました。大学在学中には海外旅行で有名建築を沢山見に行きました。その中でもフィンランドの有名建築家アルヴァ・アールトのサナトリウム病院はオペラハウスと同等の衝撃を受けました。優しさのある建築は自身の目指すものになりました。卒業後は久米設計に入社。小中一貫校の建物を担当。一部デザインも任せて頂き、とてもやりがいのある仕事でした。その後アトリエ系の設計事務所を2社経験の後独立。
最初の作品は佐倉の家。知り合いの紹介でした。元々農家の大きな屋敷を全て壊して、新築を予定されていましたが、今では手に入ることのない木材がふんだんに使われていて、これを活かせる建築家ということで、お声を掛けて頂きました。メインとなる高さ5mのリビングの吹き抜けは開放感にあふれ、お客様からは自分の好きな住宅に住むことができて幸せとおっしゃって頂いています。家がきれいになってから息子さんたちも頻繁に戻ってくるようになったともお伺いしました。
現在は、住宅の他、飲食店、保育園、グループホーム等も手掛けています。
設計への拘り
居心地の良い場所を設計することを心掛けている。あまりかっこ良すぎて居場所がなくなるのではお客様が可哀そうなので。どこに居てまったりするかな。晴れの日はここに座ったら気持が良いだろうな、とシチュエーションを想像します。建築的にも複雑にならないように、シンプルな法則を見つけます。設計期間は長くて半年、佐倉の住宅は3ケ月でした。最初のご提案はキャラクターをもった設計図を提出し、あとはお客様との打ち合わせの中で足したり引いたりしてブラッシュアップしていきます。決められた予算の中で、ベストなご提案をしていきたいと思っております。
仕事のやりがい
建築はチームプレーなので、お客様と施工業者との信頼関係が、良い建物に繋がり、みんなで楽しめるのだと思います。佐倉の家では施工業者の方もとても楽しかった、良いものを作れたと言ってくださっています。信頼関係を築くために心掛けていることは、気になったことはすぐに言う、お互い貯めこまない、言いやすい関係にしていくことです。関東圏内でしたら信頼関係のある工務店もご紹介できます。
この先の展望
事務所を今の2名から5名へと大きくして、扱える案件数を増やすとともに、ひとつひとつの設計密度を高めていきたいです。コンペ等にも挑戦し、稼働力を高め、住宅以外にもチャレンジしていきたいです。
編集後記
佐倉の家で実現した大きな吹き抜けは、徳田さんも頭の中でアイデアとして育てていましたが、普段の生活にはない空間なので、使い切れるか、お客様にとってご負担にならないか不安だったので提案をされなかったこと、自ら床下にも潜ってシロアリの調査を行い、施工業者とお互いに確認し合ったこと等、建築家として、お客様や施工業者さんへの心遣いが深く、お話を伺いながらとても温かい気持ちになりました。
穏やかにお話くださる中で、安心感のある設計と徳田さんのお人柄に触れることのできた取材となりました。
徳田さん、ありがとうございました。(廣瀬)