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住宅設計は日常の記憶を受け止める器であること 建築家 木村真輔さん

建築家を目指したきっかけ
 幼少の頃から絵を描くことやモノづくりが好きでした。画家を目指したい時期もありましたが、高校卒業後は建築の専門学校へ入学、当時、昔の建物を移築するプロジェクトを見学する機会があり、そのプロジェクトをご担当された建築家の先生からのご紹介で、卒業後は針谷建築事務所に就職しました。配属された部署では忙しい毎日を送りましたが、そこで建築の奥深さや魅力、設計者の責任の重さについて勉強させて頂きました。  
 好きな言葉に「自己満足や自己形成の情熱は息切れするが、人のために何かをする情熱は死ぬまで続く」というのがあり、設計はその言葉を体現し、自身の人生をかけてやっていける仕事だと思いました。その後、何社か在籍させていただいた後に独立。最初の作品は、前職でお付き合いのあった、外構屋さんの自邸の設計でした。

設計への拘り
 寛大で器の大きな空間づくりを目指しています。それを表現するために、複雑で深い思考をどれだけシンプルに答えに出すか、ということに拘っています。
 シンプルで奥ゆかしい空間は、日常の些細な出来事を住み手に気付かせ、生活に彩を与え、積み重ねた時間を内包していきます。それを受け止められるものが「寛大で器の大きな建築」であり、自身の設計の拘りになっています。但し、それが住む方のプレッシャーになってはいけないでので、敢えて詳しくお伝えしていません。住まいはあくまで日常の連続であって、建築空間が必要以上に住む方を縛ってはいけませんからね。

お客様との関係性
 好きな事だけでなく、嫌いな事をお伺いします。好きな事はすぐにイメージできますが、嫌いな事を敢えてお聞きする事で多角的な視点で感覚を捉えることができますし、さらに言語化することで、より具体的なイメージを共有できるようになります。例えば、「明るい部屋が好き」と仰られたとしても、ハイコントラストで緊張感のある光や、ほの暗さが少し残る光など、明るさの質は多種多様ですし、もしかしたら日常的に明るすぎる空間は、住み手に過度な緊張感をもたらして嫌いなのかもしれません。明るさに気持ちが傾いたとしても、光の方ではなく暗がりの方が重要なのかもしれません。そういった感覚はとても重要ですので、仰られた言葉の深層を注意深く掘り下げて打合せさせていただいてます。
 そうして造られた空間は、住み手の日常に寄り添いながら長い年月をかけて記憶として蓄積されて、より豊かな物語となって紡がれて行くと思います。

編集後記
 HPの施工事例を拝見すると、設計ストーリーがあったのは一作品のみ。由一文書で表現されているこちらの作品は、山岳部に続く一本道の入口に位置します。以前は農村地域の集落でしたが、県道が出来たことにより環境が激変してしまいました。そこで、行き交う方々の原風景が連想できるよう窓から漏れる住まいの光が灯篭のように、地域の方々が地元に戻ってききたと、安心感に繋がるような、そして、継続して地域とより良い関係性を築けるよう、お客様に寄り添ったストーリーで設計がされたものでした。
 木村さんの作品は一貫してそこに住まう方のためを思って作られていることが心に残る取材となりました。
 木村さん、ありがとうございました。(廣瀬)

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