建築家を目指されたきっかけ
建築家という凄いものを目指すというよりモノづくりに携われる仕事をしたい、住空間について学びたいと日本女子大学家政学部住居学科を専攻、建築全般以外にも、バリアフリーや防災、更には家事のしやすさ等、ソフト面の学習もしました。卒業生には建築家として活躍されている方も多数おり、事務所や作品を見学させて頂くことで、憧れを抱くようになりました。卒業後は東京ガスリノベーション会社へ就職。戸建てもマンションも、様々なリノベーション案件を担当していました。その後、出産を機に独立。前職の同僚が独立を後押ししてくれました。主人も空港やオフィスビル、複合施設等の大型建築の意匠設計をしていますので、いつかお互いの得意分野を生かした仕事が一緒にできたら良いなと思っています。
住宅設計についての拘り
ビニール系の材料は極力使わないようにしています。住まいで直接触れるもの、囲まれるものの素材選びには時間と予算をかけたいです。左官材料は自然素材でかつその調湿効果は、冬と夏場の湿度を均一にし、エアコンの使用を抑制できるというバッシブな面でもとても有効だと思っています。断熱性能や省エネ機器は勿論のこと、コンポストやグリーンカーテン等、暮らしの中でできる工夫も含め、環境に優しい住まいのあり方を、一軒一軒、丁寧に時間をかけて提案をしていきたいと思っています。
仕事のやりがい
ご依頼はWEBをご覧頂くことや知人や紹介が殆どです。今はリフォームのご依頼が多いです。
住まいは毎日居る場所、長い時間居る場所なので、リフォームのBefore&Afterで生活の質の変化がダイレクトに感じられます。その時にお客様より、田中さんに頼んで良かった、リフォームをして良かったと言って頂けるととてもやりがいを感じます。また、リフォーム工事は、予測不能なことも多く、工事中に仕様変更になってしまうこともありますが、その都度お客様と解決策をしっかり話し合い、その時間も経て完成した時は、お客様と設計者との信頼関係の重要性を思う瞬間です。竣工後に、素敵にお住まい頂いていたり、私も予測していないようなお客様独自の暮らし方をされているのを見ると、その後の生活が楽しく続いていることが感じられ、とても嬉しく思います。
今後の展望
ひとつ、ひとつの案件を丁寧にデザインしつつ、日々設計の技術を磨いて、ご提案できるようにしていきたいです。また、温暖化対策であるカーボンニュートラル実現に対しては設計の中で出来ることを発信していきたいです。結果としてそれが自分なりの仕事になり、自身もサスティナブルな生活を意識し、実践することでお客様との架け橋になっていければと思っています。
編集後記
田中さんは子育てと仕事を両立されているお母さん。設計のポリシーでもある環境負荷低減は未来の子ども達のためでもあります。本日のお話では終始とてもわかりやすい言葉で建築を語ってくださいました。今後も地球環境との架け橋となって、様々な作品を手掛けて頂ければと思います。
田中さん、ありがとうございました。(廣瀬)