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設計、現場、人生も!の1つずつ整理しながら着実に進む建築家 畠中啓祐さん

建築家を目指したきっかけ
 昔から絵を描くのが好きでしたが、大学は千葉工業大学精密機械工学科を専攻。卒業後は機械メーカーに5年勤務しました。その5年の間、何かデザインに携わる仕事がしたいと思い始め、プロダクトデザインやグラフィックデザイも見てみましたが、トータル的にデザインができる建築に興味を持ち、夜学にて建築を学びました。卒業後はスキーマ建築計画に3年勤務し、独立しました。独立後も機械メーカーで勤めていた頃の知識がとても役に立っています。

住宅設計の拘り
 住宅はそこに居るスパンが長いので、安直なデザインは避けて慎重にデザインを進めます。まず、情報の整理を行います。敷地の状況、お客様の条件を整理すると、いびつなところが出てきます。そこを解決したり、整えたり、面白くしたりすることが、デザインであり、設計の力だと思います。

仕事のやりがい
 整理を地道に行って、ブレイクスルーした時に、これまでなかったものが形になった時にやりがいを感じます。関東のとある住宅は元々大きな建物で、ご夫婦お二人の生活ですが、アトリエと温室をつくるため増築したいとのご要望。更には大きなFIX窓を使いたいと。市街地のため景観を楽しむわけでもないし、出来れば外からは閉じた建物にしたいとの矛盾。そこで、整理に整理した結果、FIX窓を中庭やドックコートに向けて配置し、このFIX窓と並ぶ様に既製品サッシを配置することで、引き違いサッシの存在感がFIXガラスの存在を希薄にする。さらに温室や渡り廊下といった日差しが差し込む室内空間との間仕切にも引き違いサッシを採用し、サッシの反対側は屋外という思い込みが隣接する空間により内なのか外なのかわからなくなるような設計にしました。
 また、郊外の案件では、分譲住宅の敷地への設計でしたが、隣家との間の取り方から設計した結果、くの字型の建物になりました。結果、隣の素敵な庭を借景できるデザインに。5年後、お隣さんが引っ越しをされる際、素敵な庭の部分を文筆して売って頂いたということもありました。家の形ひとつで隣家との関係まで変わった事は嬉しい驚きでした。

今後の展望
 ひとつの敷地の中だけの話ではなく、周りの環境も含めた都市の在り方を考えていきたいです。そこに居て、なんかこの街いいな、と感じてもらえるものを作りたいです。あと日本全国から海外までいろんな所で仕事をしてみたいです。

編集後記
 店舗設計でもご活躍されている畠中さん。雑誌への掲載も数多く、なんと現場監督もされるとのこと。分離発注の依頼では、工種が重ならない設計をする事で、出戻りが発生しないように工程を組むテクニックもお持ちです。
 精密機械から建築家そして、現場監督に至るまで、ご自身も整理しながら、素敵で面白い人生に辿り着いているのではとお話をお伺いしながら感じました。
 畠中さん、ありがとうございました。(廣瀬)

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