建築家を目指されたきっかけ
社会と繋がれる為の仕事に就きたいと思い、政治に興味はありましたが、政治家や官僚には向いてないと判断、その中で建築は鉛筆一本で設計したものが建物となり、社会性が高いことに魅力を感じました。そして最短ルートで建築家を目指すため、大学卒業後は不動産デベロッパーへ就職。ゼロから、建物が完成するまでのプロセスをマネジメントする経験を経て独立。結果、建築全体のプロジェクトマネージャーを出来るようになったことで、仕事の幅を広げることに繋がりました。
今は誰もが知っている「リノベーション」、実は僕らの仲間で作った言葉です。20年前は「コンバージョン」という言葉で、まだ殆どの方が知りませんでした。当時、一棟借り上げたオフィスビルのサブリースをオーナー様へご提案。4階をリノベーションし居室にしたところ、高い評価を頂きました。そしてビルの稼働率は98%。不動産の観点から入口と出口をデザインし、お客様とのコラボレーションが出来た事例となります。そしてこの作品がモデルになり、様々なオーナー様と繋がるきかっけとなっています。
住宅設計の拘り
私には作風がありませんが、それは、お客様のストーリーから設計を行うからです。
お客様がどのような方なのか、どのような潜在ニーズがあるのかを十分お伺いし、テキストを作ります。その上でストーリーが出来て、そこから設計が始まります。逆に言えばそこの情報が十分でない限り、設計は行いません。既にストーリーが出来ているお客様でしたら、設計開始迄1ケ月程度ですが、全く何もないところからのスタートだと半年程度、土地探しから別荘をご検討されていたお客様のケースでは、設計に取り掛かる迄2年を要しました。
お客様との関係性
建築+自身の経験を形にすることで新しいモノを生み出しお客様へご提案しています。猫を飼い始めて6年が経ちますが、飼い始めた当初、どこに置いても存在感の出てしまうトイレ、そしてキャットタワーや爪とぎ。これをどうにかしたい思いの中、人と猫が共用できるインテリア家具を考案。当初はDIYで制作していましたが、その後、人と猫のための家具をプロデュースするブランド「NY&」を立ち上げて、2021年に家具販売を開始しました。こちらは同じような思いのお客様からご好評を頂いております。
編集後記
建築技術との組み合わせで様々なことに挑戦し、独創性のあるものが生まれ、そしてそこから人が繋がり、裾野が広がっていく。建築家の世界の中で、自身の行っていることが、サンプルになり、後世に残っていく何かになれば良いと思っていますと、畑山さんの今後の展望をお伺いし、新しい建築の可能性を感じることができました。
畑山さん、ありがとうございました。(廣瀬)