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その人、その地に合った建築を提案してくれる建築家 藤村諒さん

 取材前にホームページを拝見すると、旅が好きですと。きっと、日本だけでなく、海外の建物も沢山見て来られたのだろうなと…そんな藤村さんの建築に対する思いやお考えを聞くのが楽しみに!とても立地の良い、愛知県名古屋市内のお洒落な事務所で取材を開始しました。

建築家になったきっかけ
 高校生を中退したのをきっかけに、将来について真剣に考えたとき、母がマイホームに対する夢があったこと、幼少期より渡部篤史の建もの探訪が好きだったこともあり、建築に興味があるかも知れないと、その道を目指しました。アルバイトしながら夜間の専門学校に通い、卒業後は設計事務所で11年経験を積んで、独立。独立前より自分なりの建築を設計したくて、海外の建築を見て回り、その風土や気候に触れ、自分で感じ取りながら勉強しました。

設計の拘り
 五感で感じられる気持ちいい空間と、その土地の周辺環境を最大限に生かしながら、そこにしかないものを設計します。最近、エアコンが苦手だったお客様に、天井面を冷水で冷やして、部屋全体を優しく冷やすことのできる天井放射冷房と、湿気を吸放出する建材を提案し、とても快適ですと言っていただきました。

 ビルのメンテナンス会社の新築オフィスビルプロジェクトでは、既存である本社ビルの道を挟んだ向かいの土地への設計。6社でのコンペの中、レンガ調のタイルのデザインなど、新旧のビルをリンクさせるようなデザインとし、その道に勝手に企業名を入れたストリート名称をつけ提案。建材や設備はエネルギー削減ができるものとし、ZEB Readyの認証も取得しました。
 落成式では「100万人のクラシックライブ」によるコンサートが行われ、社員の皆様から嬉しい言葉を沢山いただき、社長には企業ストリートのプレゼンを気に入ってくれ、またここの土地を買おうかなと冗談交じりにおっしゃっていただきました。

お仕事のやりがい
 お客様と共に、紆余曲折しながらも引き渡し時にとても喜んでくれたときが1番のやりがいです。建物が建つまでは、自分が求めている材料や、面白い材料に出会って、職人などの現場の方々とコミュニケーションを取る中で、新しいもの生まれていく瞬間もそうですね。

今後の目標
 マルシェ型のスーパーを併設した複合型集合住宅等、「住まうこと」と「暮らすこと」が一体化された施設を手掛けてみたいです。
 先日訪れたフランスやオランダでは、街に数多くの店舗が並び、住むところと日常的に生活するところの境が少ないです。日本はオフィス街があるように、仕事をする場も分かれていて、もう少し街全体が緩やかに繋がる地が増えてもいいと思っています。
 いつかは、この愛知県や日本に限らず、全国津々浦々、海外でも仕事をしたいです。海外では、発展途上国を経験している人たちが街づくりをすれば、先進国では生まれなかった新たな魅力的ができると思うので、マレーシアやインドネシアなどの東南アジア圏に注目しています。

編集後記
 実家のマイホームは実現し、とても親孝行な藤村さん。仕事とプライベートの境目がほとんどないほど、建築のことを突き詰めていているからこその確りとしたコンセプト。お客様やその地にあったものを提案いただける事例をいくつかお伺いしました。
 将来は海外でも!これまでの海外旅行で感じられたことも活かして、日本の建築技術を世界に発信していただける日も近そうですね。
 藤村さん、ありがとうございました。(廣瀬)


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