建築家を目指したきっかけ
明確に建築家になりたいと最初から思っていたわけではなくて、学生時代から工作や絵を描くことが好きでした。大学進学時に受けた学問の適性検査では歯学部又は工学部建築学科と出たので、建築学科を受験しました。大学の恩師の影響もあり、建築への興味が深まりとても面白くなっていきました。大学卒業後は講師を経て、独立をしました。
住宅設計へのこだわり
古き良き日本家屋を大切にすることが私の設計スタイルです。そこに辿り着いたのは祖父の家が古民家で、気候・風土・文化に根差し、特に美しい四季の風景に心が満たされたことが影響していると思います。 こちらの事務所兼住宅がその祖父母の古民家です。3年間を掛けて改修をしました。日本家屋の良さは、構造(フレーム)がそのまま空間になるところだと思っています。そこに機能性も備わっているので、自分がデザインをすることでより魅力的な空間づくりをしていきたいと思っています。
仕事のやりがい
設計そのものがとても楽しいです。設計した建物にお客様が住まわれた後のことを想像し、現場での職人さんとの対話の中で色々な発見や学びがあり、建築の仕事はやりがいの塊だと思います。地球環境や未来を想像すると、建てて終わりではなく、建てる責任も考えなくてはいけないこと、それ自体もやりがいに繋がっていると思っています。
今後の目標
事務所がある名古屋市中川区は、人口減少が進んでおり、空き家が多く、高齢化も進んでいます。建築をキーワードとして、地域の活性化につながる活動や仕事に取り組んでいきたいです。
編集後記
岡本さんの「未来に遺すことができる建築をつくる責任」という言葉に、現在の住宅建築への危機感や本当に考えなければならないことを使命とした真摯な思いが伝わってきました。また、お話を伺う中で、「学び」という言葉が多く、建築を通して関わった方々から学びを受け、経験を積んで現在の建築スタイルに活かされていることがわかりました。
スクラップビルドの世の中で、100年先も残る素晴らしい日本建築を後世に受け継いでいただきたいと思いました。
岡本さん、ありがとうございました。(飛髙)