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暮らしの中で心が動く仕掛けを提案する建築家  山根 侑己さん

建築家になったきっかけ
 高校生の頃、本屋でたまたま手に取った雑誌「BRUTUS」(マガジンハウス)が私のそれまでの建築へのイメージを一新させてくれました。既にその頃は地元の香川県立高松工芸高等学校の建築科で建築を学んでいましたが、「BRUTUS」で掲載されていた建築は今までに見たことのない芸術性を感じる建築ばかり。安藤忠雄、ジャン・ヌーヴェル、スティーヴン・ホールといった巨匠級の建築家の建築がそこには載っていて、「これが建築か!」と。強い衝撃を受けて建築家への憧れが一気に高まりました。

建築へのこだわり
 単なる住むための住宅ではなく、そこでの暮らしの中で心が動く仕掛けを組み込むことを心掛けています。ワクワクする、ホッとする、というような内面のことから、例えば、ちょっと読書でもしてみようかな、という行動を起こすことも仕掛け次第ではできると思います。
構造材、床材は基本的に無垢材、手の触れる仕上げ材は自然素材(無垢材、紙、石、漆喰、珪藻土etc.)を使うことを基本にしています。無垢材は時間と共に味わいが増します。その味わいが愛着にも結び付くと思います。木に関しては製材所や材木店を訪れたり、ときには山を見せてもらったりして、林業家の声も聞きながら設計に生かすようにしています。

お客様との関係性
 お客様は一緒に家づくりをするパートナーだと考えています。休日の過ごし方はアウトドアが主で、平日の朝食はトーストにジャムを塗って珈琲と一緒にいただく、夕食後は…、といった話をしながら、このお客様にはこんな暮らし方の提案はどうかな?そのためにこんな住宅はどうかな?と探りながら提案します。お客様は住宅というカタチにするための手掛かりをお話しの中で散りばめる役割を、その散りばめられたパーツをつないでいってカタチにするのが私の役割ですね。

お仕事のやりがい
 設計が始まって住宅が完成・お引渡しまでは1年ほどかかります。始めは何もない白紙の状態からスタートして、お客様とたくさん話をして提案を重ね、設計図が完成し、着工し、上棟し、少しずつ完成に近いていくにつれて私自身、もうこの住宅には愛着がいっぱい。 お引渡しは我が子が巣立っていくようでちょっぴり淋しい気持ちになります。それが、1年後、3年後、5年後…とそのお宅にお邪魔させてもらった際、大切に住まわれているのを拝見すると、それはそれは嬉しいものです。大事にしてもらっているなぁ、と。

編集後記
 自然素材や無垢材にこだわり、時には山にまで実際に木を見に行かれるお話や、お引き渡しの時には我が子が巣立っていくような気持ちになるというお話を伺い、一つ一つの作品にとても愛情をもって取り組んでいらっしゃるお姿が想像できました。また、お客様は家づくりのパートナーと仰っていたのが印象的でした。対話の中でお客様の理想のライフスタイルやご要望を引き出し、それを住宅という形を通して実現していくと仰っていました。住むだけの住宅ではなく、住む方の人生まで考えながら設計されているのだと思いました。
山根さん、ありがとうございました。(飛髙)

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