隣棟間隔が比較的離れている緑豊かな傾斜地の一角に、この家は建っています。
クライアントからの要望は4点。
- 食べることを大切にしたい
- 人が集まりやすい、友人が遊びに来やすい家
- 開放的な家
- ラフで気軽な作りこまれていない家
その答えとして、各部屋をおおらかに繋ぎ、キッチンスペースを家の中心に据えた計画としました。
建物全体をひとつの空間と捉え、リビングに設けた吹抜けを介して家中に風が通り抜け、光が差し込むよう、
壁を出来るだけ作らず、それぞれの空間は天井までの片引き戸や5枚建ての引違い戸で仕切っています。
玄関という場は敢えて設けず、ウッドデッキから直接同じ床レベルでモルタル床のリビング、
そしてフローリング床のダイニング・キッチンへと繋げ、デッキからキッチンまでを一帯の空間としました。
ウッドデッキは敷地北西の山側傾斜地につながります。
南西の谷側に眺望のための大窓と台所仕事のためのテラスを設け、
季節と暮らしを愉しむための工夫を盛り込みました。
外壁は全面米杉板張りで、デッキとテラスの手摺は仕上塗装をしない溶融亜鉛メッキとし、
綺麗すぎないざっくりとしたその仕上げは、力強さとともに経年変化も楽しめます。
竣工お引渡し時点が完成ではなく、時間とともに成⾧する家です。
野田 裕彦 野田 美和
H+Mアトリエ
兵庫県
HP:http://hplusm.jp
⾧く愉しめる、力強い建築をめざして。
できるだけ単純で、骨格のしっかりした建築は⾧く暮らしを愉しめます。
そこに住む人やその建築を使う人がそれぞれのスタイルで自由に愉しめる建築。
⾧く使い続けるほどに心が豊かになる建築。
表面的な綺麗さではなく、本質的な心地よさを感じる建築。
敷地の特性を読み、取り入れ、その大地にしっかりと根を張り、暮らしの基盤となる。
そんな建築をご提案しています。
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