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阿佐ヶ谷の家 東京都

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作品詳細

阿佐ヶ谷の住宅街に建つ母娘2人のための住宅。
空調・換気として、OMソーラー(株)の最新システムであるOMXを導入した。OMXは省エネルギーを保ちながら、暖冷房・給湯・熱交換換気を1台で賄う。暖房は床暖房、冷房は天井から微風が吹き、年間を通して室温を自動制御するため、エアコンのような不快感がない。
母の年齢を考慮し、車椅子でも生活できる設計としたが、現在の生活および意匠性も尊重し、完璧なバリアフリー住宅ではない。屋外の斜路も今はなく、植込みスペースを将来的に斜路として整備できるようにとどめた。
1階のリビング・ダイニングは建物を南北に貫くがらんどうな空間とし、家の中心となるよう設計した。室内建具をすべて引戸としたため、外部建具も合わせて開けることで、家全体に風通しができる。
建物の南北東それぞれに庭・植栽スペースを設けた。さらに2階寝室にも隣接するテラスがある。敷地南端に元々あったイロハモミジの樹を保存し、3つの庭それぞれに植栽を施した。道路、隣家から少しだが引きをとって緑を配置し、生活に豊かさを与えることを狙った。
この住宅を見る人は、外観からは特殊性は感じられないであろう。勾配屋根の、さりげない日本の民家である。しかし実際はOMXの最新技術を持った「現代的民家」とも言える。OMXはエアコンのように都度自分で空調を操作する必要はなく、全自動で最適な空調を提供する。住み手はストレスを感じることなく、このさりげない家の、特別な快適性を感じるであろう。

所在地   :東京都杉並区
竣工年   :2020
建築主   :個人
主要用途  :住宅
敷地面積  :198㎡
建築面積  :99㎡
延床面積  :154㎡
階数    :地上2階
構造    :木造
構造設計協力:アトリエ雁木
照明設計協力:中島龍興照明デザイン研究所
施工    :相羽建設
植栽    :入間川造園
写真    :平井広行

竹内 栄介

栄澂建築/エイスケンチク/ACETECTURE
東京都
HP:http://acetecture.net/

栄澂建築の「澂」の字は見慣れない漢字だと思います。
当初、自分の名前を冠した事務所名としていましたが、一級建築士事務所登録をする際、シンプルに、自分の名前「エイスケ」と「ケンチク」を合わせて「エイスケンチク」という名称にしたいと思いました。
漢字で表記したいと思い、「エイ」は名前の栄をそのまま用いましたが、「ス」は辞書で調べてもなかなかいい字がありませんでした。
長年大学で教授をしていた叔父がおりました。何年も前に他界しましたが、子供の頃、建築家に興味があると言ったところ、建築は総合芸術だからいろいろなことを知っているといいよ、と教えてくれました。その叔父はとてつもない量の本を読んでおり、とても博識で、僕は尊敬していました。
その叔父の名前に「澂」が入っており、この字も「ス」と読むことがわかりました。
さらに「水ににごりがなく、清らかになる。空や音がすきとおっているさま。」という意味があることがわかりました。
昔から田舎に旅行に行くと、湧水があるところを探してよく見に行きます。自然の造形の中で透き通った水が湛えられている様子を見るのが好きです。このこともあり、にごりがない、清らかな、澄んだ空間をつくっていきたいという意思をこめて「栄澂建築」という名称に決めました。
そのままでは誰も読めないので、常にカタカナを併記しております。
また、英語表記のACETECTUREですが、自分の名前の栄介をローマ字で書くとEISUKEですが、ネイティヴの方が読むとエイスケという音にはなりません。そこで子供の頃にACE-Kという表記を考え出しました。
アメリカ留学中もこの表記で通したおかげで、単に「ACE」と呼ばれることもありました。エイスケンチクがエイスケとケンチクの造語なので、英語表記もACEとARCHITECTUREの造語にしようと思い、強引にACETECTUREとしました。

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