作品詳細
定年を機に住み慣れた土地での建替えを希望された夫婦二人の小さな住まい。
敷地は1980 年頃に一体開発された郊外団地にあり、南側信仰により計画された各街区には、時を経て緑豊かに育った街区を貫通する庭がある。
北側には広い空と緑連なる風景の約束された公園、南側には育ち続ける庭。
この環境を生かすため南側の庭と北側の空を繋ぐ大屋根を掛け、屋根を折ることでスケールや形、レベルを変えた大小様々な屋根裏部屋を設けた。
三層に連なる場所、一人だけの時間を過ごす場所、人を迎える場所。
家の中から庭や公園の緑、空の様子を感じる事ができ、季節や毎日の時間の移り変わりなどを肌で感じながら過ごす生活。
郊外団地という画一的な風景の中で、様々な場所を内包するこの住宅は、与えられた自然を享受し、これまでの日常に日々小さな発見をもたらしている。
家族構成 :夫妻
ロケーション:住宅地、郊外
構造規模 :木造2 階建て
延床面積 :79.88 ㎡(24 坪)
1階 :49.36 ㎡(15 坪)
2階 :30.52 ㎡( 9 坪)
部屋数 :5 部屋 +α
竣工 :2014 年
設計・監理 :浦木建築設計事務所
構造設計 :正木構造研究所
施工 :植尾工務店
写真 :隼田大輔写真事務所
浦木 美樹子
浦木建築設計事務所 / URAKI ARCHITECTS & ASOCIATES
神奈川県
HP:https://urarchi.com/urarchi2021
移り変わっていく時間や人や物をおおらかに受け止め、愛着が増していく住まいづくりを目指しています。
地域や土地の気候風土を丁寧に読み込み、あたらしく美しく、その街の景観を彩る住まいを提案します。
家族の要望や理想はもちろん、経済性・機能性・構造・メンテナンス性といった面からも合理的な設計であるかどうかを常に考え、変わりゆく時代の中で美しさと共に将来にわたって色あせない価値をデザインします。