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建築家

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取材記事

菰野の家 三重県

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作品詳細

祖父母の土地を引き継いだ施主夫婦は、両親との二世帯住宅を希望された。
施主からの要望は、祖父の大切にしていた庭の面影を、既存活用しながら残すこと、高齢化した将来を考えて平屋とすること、日常生活と来客を考慮して3 台分の駐車スペースを確保すること(その内2 台は屋根付き)の3 点であった。
敷地周辺は、区画整備された住宅街となっている。比較的広めの敷地、その敷地北側に建物、南側に庭を配し、道路側に塀や門扉・カーポートという構成が多く、その集合によって郊外でどこにでも見られる街路景観がここでも形成されている。本計画では、接道境界面で設けられるそれら構成要素を極力排除することで、郊外ならではの煩雑な無個性を解消し、「建物の豊かな表情=住人の個性」を表現しようと試みた。
軒を低く抑えることで空を大きく残し、T 字路のアイストップとして見えてくる建物の存在を過度に主張せず、地域に溶け込む景観を目指した。郊外の景観を凡庸で煩雑とする門扉や塀は設置せずに、建物の構成と素材の工夫により境界領域をデザインすることで、住人のプライバシーを守りつつ、祖父母の代から住み継いだ地域に対して閉ざさない暮らしを体現している。
45 年前にこの地に住み始めた祖父母から始まり、両親、施主夫婦、その子供へと続く地縁を大切にし、郊外の住宅街で当たり前になっている風景に変化を与え、閉ざさずに地域に溶け込む建物の実現を目指した。

家族構成|夫妻+子供2 人+祖父母
ロケーション:住宅地、郊外
構造規模  :木造 2F
延床面積  :121.32 ㎡(36.7 坪)
1階    :108.81 ㎡(32.9 坪)
2階    :12.51 ㎡ (3.7 坪)
部屋数   :6
竣工    :2020 年
設計・監理 :浦木建築設計事務所
構造設計  :正木構造研究所
施工    :上村工建
写真    :朴の木写真室、浦木建築設計事務所
受賞    :第41 回三重県建築賞 住宅部門入選

浦木 美樹子

浦木建築設計事務所 / URAKI ARCHITECTS&ASOCIATES
神奈川県
HP:https://urarchi.com/urarchi2021

移り変わっていく時間や人や物をおおらかに受け止め、愛着が増していく住まいづくりを目指しています。
地域や土地の気候風土を丁寧に読み込み、あたらしく美しく、その街の景観を彩る住まいを提案します。
家族の要望や理想はもちろん、経済性・機能性・構造・メンテナンス性といった面からも合理的な設計であるかどうかを常に考え、変わりゆく時代の中で美しさと共に将来にわたって色あせない価値をデザインします。

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