作品詳細
田園風景の美しい三田市の田舎に建つ5人家族(当時4人)のための家です。夫婦の趣味であるバイクライフを満喫でき、また、子供達を自然の豊かな環境で育てたいという想いから、景色の良い広い敷地を探し、計画がはじまりました。建物への希望は、居間からいつでもバイクが見え、外に開放的で、間仕切りの少なく日中どこにいても子供の様子が感じ取れる暮らしを希望。また、木と金属をバランスよく合わせた住まいになればという、機械好きの一面も。計画は、予算の事もあり、出来るだけつくりすぎない事を軸に必要最低限どうしたいかをじっくり話し合い、当初からの希望であった、出来るだけ間仕切りの無い空間という方向で検討し、玄関、寝室、洗面、WC以外は、一体空間になる方向で計画。子供スペースだけは、将来を見据えて、時期が来たら梁下で3部屋に仕切れるように配慮。また、ものづくりの好きな方でしたので、出来るところは自らアレンジし、施工に参加することもご提案。このクライアントだから成立するという所までしっかり話し合い、予算を活かしきった計画になったのではないかと思います。
構造 :木造2階建て
家族構成:5人家族(夫妻+子供3人)
所在地 :兵庫県三田市
敷地面積:687.52㎡(207.97坪)
延床面積:127.09㎡(38.44坪)
竣工年数:2015年4月
東山 明
東山明建築設計事務所
兵庫県
HP:https://higayama.net
住まい手にとって末永く愛着育める家づくり。それは単に材料が腐りにくいとか、頑丈につくったから長持ちするという側面よりも、住まい手が入居後も愛着をもって建物を向き合い、もっと身近なものとして、手を加えられ、家族の成長と共に建物も変化出来、暮らしの工夫の中で変化し続ける家。決して完成の無い建物であることが大切で、気付くと長い歴史が刻まれてる家になっている。そんな家づくりが私の想いであり、家づくりの理想だと考えています。誤解を恐れず言えば、決して設計者の意思だけでは完成しきらない事が大切だと考えております。これまで長年の家づくりの経験を振り返ってみると、ついついお客様に自然素材をお勧めして、予算調整も含め一緒に塗りませんかとご提案してしまい、設計者なのにお客様と一緒に汗水垂らして左官塗ってたりすることもしばしば…。自分が住むならを基準に考えると、やはり自然素材を使いたくなるのです。完成後の喜びの声も数多く頂戴し、いつしか住まい手と共につくる参加型の家づくりが、私のスタイルの一つになりつつあります。お施主さま、ご家族の想いを、対話を重ねて整理し、言葉になってない部分まで汲み取りカタチにする。できるだけ気負わず素直に、住まい手にとって大事な物をちゃんと残す。お客様と一緒にものづくりの経験を共有する。そんな家づくりをこれからもしていきたいと思っております。