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板橋の家 東京都

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作品詳細

東京郊外の住宅密集地域に建つ住宅建築。東側には5階建てのマンション、西側は農園、北側は低層の住宅に囲まれた敷地条件。近隣の住宅の中でもかなり大きな敷地の為、建物を北側に寄せて配置しても十分な庭空間が確保できる恵まれた敷地に建つ、若い夫婦の住まい。まず考えたのは、東側のマンションからのプライバシーをいかに確保するかであった。マンションは5階建ての為、常に高層から覗かれてしまう環境から逃れるために、エントランスアプローチに沿ってモスグリーン色の天然石を貼った自立壁を設けた。自立壁を設けることで、住居内やリビング前の庭スペースへの視線を遮断しプライバシーを確保した。この自立壁はアプローチに沿ってそびえ立ち、そのまま玄関内部まで続く。外観は吹き抜けのリビングを囲うようにコンクリート打ち放しの門型フレーム壁を設け、その他の部分はボーダータイルと真っ白に塗られた壁で構成されている。駐車場部分はコスト面からRC造のメインの建物部分とはエキスパンでジョイントされており、鉄骨造となっている。内部は1階は和室とLDK、浴室。2階は個室が3部屋とWICで構成されている。玄関からLDK空間の間に和室を設け、和室の南北それぞれに廊下を配置することで回廊性のある導線計画となっている。リビングは2層吹き抜けとなっており、南面上部の大きな窓の外には、日射を優しく和らげるためのメッシュスクリーンを設置した。リビングのTVが設置される壁面は厚さの違うライムストーンを乱貼りし、上部は間接照明を仕込んだサーモンピンクの塗壁とすることで、差し込む光が壁面を照らし、優しい空間となるように考えた。また、壁面にはバイオエタノールの暖炉を組み込み、空間をさらに演出している。リビングとダイニング・キッチンは扉のない一部屋として繋がっているが、蹴込板のない鉄砲階段をリビングとダイニングの間に配置することで両部屋の空間をやんわりと仕切っている。浴室前には壁で囲まれた坪庭を設け、紅葉の木や低木を植えることで、窓からの景色が楽しめる仕掛けとなっている。また、2階のMBRにはプロジェクター付きの照明を設置し、専用のクロスを壁に貼ることで、大画面での映像を見ることが可能となっている。リビングからも和室からも庭へと直接視線が通り、外部空間と繋がる。若い夫婦の住宅としてはかなり大きな住宅だが、庭に新たに植えた桜の木が成長し、庭空間と合わせて周辺環境に溶け込んでいく建築を目指した。

場所:東京都板橋区
構造:RC造+S造
用途:専用住宅
竣工:2022年
施工:中尾建設株式会社+株式会社筑紫野
竣工写真:北嶋俊治

岩瀬 行泰

岩瀬アトリエ建築設計事務所
埼玉県
HP:https://iwase-atelier.com/

本来、「建築」とは与えられた環境や敷地形状、クライアントの感性、ライフスタイルなどあらゆる要素の中から生まれてくるものであり、それゆえひとつとして同じスタイルの作品が存在するはずがないと考えます。「住宅」を例にした場合、そこに作り上げられる空間には快適性はもちろんのこと、光や風をいかに空間の中に取り入れ自然環境との共生をどう考えていくかをテーマに創りあげていきます。また、「アパートメント」や「オフィスビルディング」などの収益性を求められる場合には、優れたデザイン性により建物自体の資産価値を高め、高い収益性を長期にわたり安定して供給することを目的とし、作品を作り上げていきます。
「建築」にはそこに住まい生活する人の人生観を変えてしまうほどのエネルギーを持ちえると考えます。単なるモノづくりではなく、人と環境が調和し、時に風化しない普遍性を持ち、都市景観の創造に先導的な役割を果たす作品を一つ一つ丁寧に創りあげていく、「アトリエ」としての仕事にこだわり続けていきます。
私達は、皆様から設計料を頂いて設計活動を行います。「岩瀬アトリエ」では限られた予算の中で、より機能的で、かつ経済的な設計を行い、デザイン性のみならず使い勝手や品質等にこだわり、時間をかけた質の高い建築を目指しております。

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