作品詳細
海外敷地での初めての新築住宅プロジェクトが、外国人の施主・現地協力設計者・施工者との円滑な協働作業により
実現しました。敷地選びの段階から、オレゴンでは有名なMt. Hoodを眺めることができることが、この建物の重要な長所でした。リビングやキッチンを始めとして、できる限り多くの部屋からMt. Hood を眺めることができることを前提に、計画が進められました。朝日をあびながら、Mt.Hoodを眺めつつ、目覚め、シャワーを浴び、キッチンで調理し、食事をいただくというとても贅沢な空間構成になっています。
このプロジェクトは高低差のある建物であるため、階段室の煙突効果(chimney effect)と丘の下から吹き上がる風を利用して、空気が循環するようにします。最下部の玄関脇から空気を取り入れ、最上部の階段室上部へと抜ける通気を確保しました。このように夏季は下層部の涼しい風が上に向かうように計画していますが、冬季には最上部にたまった暖気をリビングルームに戻すように、ダクトによる空気循環を行っています。
外壁には、施主のたっての希望でYAKI-SUGI(焼杉)が用いられました。今米国で、とても流行しているようです。最終的に、黒色、コンクリート色、木色が混在した、落ち着いた外観の住宅となりました。
小笠原 正豊
小笠原正豊建築設計事務所
東京都
HP:https://masatoyo.com/
小笠原正豊建築設計事務所代表。東京電機大学未来科学部建築学科准教授。博士(工学)。米国NY州登録建築家。一級建築士。
米国ハーバード大学デザイン大学院で培った建築設計観と、ニューヨークの建築事務所勤務経験で鍛えた、素材を活かした上質なデザインを提供しています。
住宅から美術館まで、どのような規模・種類・国の建築にも対応いたします。海外経験を基に、国内外の幅広い選択肢の中から最適なご提案をいたします。
どんなプロジェクトでも最初の第一歩があります。リラックスした雰囲気のもと、お話をくわしく伺いながら何ができるのかを一緒に考えていく作業をいつも心待ちにしています。