作品詳細
さいたま市郊外の新築住宅です。
計画地は、東京都内からのアクセスは良いが、急に田園風景が広がる長閑な住宅街です。
敷地は6棟が共有する私道、北側に位置する公道の角地に位置しています。
施主は持ち物が多く、収納スペースが多く求められていたことから、「家」:人の空間と、「蔵」:物の空間をつくり、まとまった収納スペースを確保する計画としました。
更に、私道を「外」:外部リビングと捉えて縁側を設け、それら3つの空間をつなぐように段差や階段を配置しています。
このような間取りの構成は古くからの農家の住宅に見られ、「家」は襖などで仕切られ、大広間としても使える設えになっており、「蔵」は「家」と隣あわせでいながら、隔離されたもうひとつの空間となっています。
本計画では「蔵」を隔離してしまうのではなく、半透明のポリカーボネート板を間仕切りとすることで、「家」と「蔵」双方の気配を感じられる空間とし、コンパクトな住宅ながら空間の広がりを感じることができます。
更に階段を挿入し、日常生活で「家」と「蔵」を行き来することで、「蔵」で目にした物が「家」で起こる行動のきっかけを生むなど、「家」の物を一方的に「蔵」に収納するだけでなく、相互に関係を持つ、開かれた「蔵」を提案しました。
周囲の田園風景と物が多い時代に合致した、現代版の農家の住宅を目指しています。
信田 匡康 / 藤本 綾
チンドン
東京都
HP:https://www.chindon.jp/index.html
私たちは、ご要望に応じて様々な建物をデザインする設計事務所です。でも、それだけではありません。依頼者様ー設計者という関係を超えて、一緒に建物や空間の使われ方を考えていきます。どこか遠くから賑やかな音色を奏でやってくるチンドン屋さんに、いつのまにか巻き込まれてしまうような、設計プロセスそのものを一緒に楽しんでいただけるようなデザインを心がけています。