作品詳細
「貫入する外部空間と3枚のL字壁」
地方の工業都市である敷地。建築主の地元であるこの土地に、新規オープンさせる接骨院と住まいを同時に新築する計画 。
地域の人にとって居心地の良い接骨院と、新しい家族の生活が営まれる建物として、場所を細かく規定せず自由に過ごせると共に、将来の変化にも対応できるような、おおらかなプランニングが目指された。
建物の骨格として、内外の境界を曖昧にし、生活に外の要素を取り入れるため、外部空間を建物内に貫入させ、それらを立体的に展開させた。これらは、ふたつの用途の接続にも寄与している。
1階は、東西に貫通させた「ミチ」とゆるやかにつながるように各機能が配置されている。 寄り道するように行き来しながら、この場に滞在する。また、「ミチ」は上階の「ニワ」と立体的につながっていて、1階に光をとどけると共に住宅へのアプローチにもなっている。
2階は、南北に貫通させた内外部にまたがる「ニワ」を中心に、パブリックからプライベートへのグラデーションをつくっている。 そこは、光と影、暖かさと涼しさ、にぎやかさと落ち着きなど、不均一な場が境なく連続していて、居場所を選びながら自由に生活できる。
今後、長い時間をかけて使われながら育まれる空間は、シンプルかつ多様であるように心がけており、時間や状況によって自分の居場所や様々な距離感を選択できるような建築となるようにイメージした。
所在地 :群馬県伊勢崎市
用途 :接骨院併用住宅
建物規模:地上2階建て
構造 :木造(在来工法)
敷地面積:490.40 ㎡
建築面積:121.63 ㎡
延床面積:184.38 ㎡
竣工 :2016年
設計監理:マ・アーキテクツ / 宮本裕也 + 新井典子
構造設計:tmsd萬田隆構造設計事務所
施工 :株式会社オムニバス
写真 :平井広行
宮本 裕也
一級建築士事務所 マ・アーキテクツ
東京都
HP:https://www.m-a-rchitects.com/
私たちは、人と営みの「間(あいだ)」をデザインします。
それは、建築や家具、あるいはもっと小さなプロダクトかもしれません。
また私たちは、人と人の「間(あいだ)」をデザインします。
それは、人をつなぐ企画であったり、人の集まる場所であったりします。
様々な間(あいだ)のデザインは、時間をかけてつくられ、時間を経て変わっていきます。私たちはそんな人々の「時間」に寄り添うことを大切にします。