作品詳細
「住宅医」による「木造建築病理学」に則ったリノベーション。 住まい手自身が古民家の改修にかかわる仕事をされていた関係で、ご自身の家も新築より中古物件のリノベの方が楽しそうだなと考えられていたそうで、たまたまご近所を散歩中にこの家が売りに出されているのを発見し、内見をした結果、柱や梁などの構造がしっかりしている印象をうけたため(勢いで)購入に至ったそうです。リノベ前の平面はよくある田舎づくり。玄関が内部空間を分断していてとても使いにくい間取りになっていました。そこでリノベ案の計画はまず玄関の問題を処理することから始めました。生活空間(LDK)を一室空間にするためにリノベ前は大きな面積を占めていた玄関のボリュームを増築することで外に出し、新たに設けた土間でつながるクロークで生活空間とプライベート空間との距離を取っています。また玄関を外に出したことにより、道路側から敷地奥への視線に対しての物理的な壁となり生活空間のプライバシーを守っています。これによってこちらも増築をした軒下空間のテラスとともに庭と一体となった開放的な生活を可能としています。この軒下空間は我が家を見学された住まい手たっての希望だったので実現できてよかったです。階段の位置は2階との兼ね合いから移動が難しかったのでそのボリュームを利用してトイレを階段下に配置し、階段を中心としてグルグル回れる動線を確保しました。この動線以外にも複数の動線のサーキュレーションを確保しています。建物の気密性能が確保できればトイレや水廻りに換気用の窓は必要なくなるので空間構成の自由度が増します。2階に関しては将来的な個室化への対応を考慮しつつ、最低限の整備にとどめています。
3LDK
家族4人(夫婦+子2人)
リノベーション、フルリノベーション、住宅地
神谷義彦
神谷建築スタジオ
愛知県
https://www.kamiyastudio.com/
自然素材をつかい、日本の山の木をつかい、自然のエネルギーをつかってそしてちょっとだけ設備にお手伝いしてもらう。
やせ我慢の快適ではなく、メカメカの快適でもない。
程よい塩梅で整えた「おおらかな」木の住まいを、「しっかりとした」裏付けのもとに提案させていただきます。