作品詳細
「日本の渚100選」に選ばれ、世界で最も砂の粒が小さいとされる千鳥ヶ浜近くに建つ木の住まいです。
敷地周辺の道路は車一台がようやく通れる程度の幅員しかなく、周辺建物も海からの風を防ぐために敷地いっぱいに塀をめぐらし、漆喰壁+黒塗り(コールタール塗り)板壁という漁師町特有の懐かしい風景がまだ残っています。「内海の家」では敷地境界を視線を遮りつつも周辺に比べ低めの板塀を巡らせ、配置計画は空間に余白を持たせて植栽を施すことで近隣に対して緑を提供するポケットパークのような風景を創り出しています。また道路も狭く周辺建物が建て込んでいるため決して日照条件が恵まれている敷地ではないため、建物の平面形状をT字型とし、突き出した生活空間を余白=庭が包み込むことで一日を通して明かりを生活空間に取り込めるような配置計画としてあります。
内部空間は南北に長い生活空間(LDK)の両サイドに客間と主寝室を配し、子供部屋だけを2階に載せ、主世代は平屋で生活が完結するプランとなっています。LDKは等間隔で配置された垂木と屋根型をそのまま現し、庭へ向かって意識を導き面積以上の広がりを感じさせます。棟木をなくした小屋組とすることで中間に柱のないスッキリとした空間を可能としています。
建築面積:86.12㎡
延床面積:110.96㎡
4LDK
家族4人(夫婦+子2人) 住宅地、郊外
神谷義彦
神谷建築スタジオ
愛知県
https://www.kamiyastudio.com/
自然素材をつかい、日本の山の木をつかい、自然のエネルギーをつかってそしてちょっとだけ設備にお手伝いしてもらう。
やせ我慢の快適ではなく、メカメカの快適でもない。
程よい塩梅で整えた「おおらかな」木の住まいを、「しっかりとした」裏付けのもとに提案させていただきます。