作品紹介
受け継いできたものを遺しながら伝統工法で現代に。
大正時代に建てられた住まいは構造材や建具の一部が江戸時代の部材の再利用だということが調査の結果わかりました。先祖代々、古いものを大切に扱って来られてきたことがわかり、お施主様のご希望もあって、その面影を遺した形でのリフォームを計画しました。材木の樹齢や乾燥状態などのチェック、民家に合う材料の調達や、後のメンテナンスを容易に行うことができるような設備計画をし、暮らしの変化に順応できる持続可能な住まいになるよう考えました。
古民家の特徴である外観、開放的な空間を崩さず、「暑さ・寒さ」をどうすれば解消できるのかを検証し、断熱材や建具の種類にこだわりました。重要な構造体である田の字型の骨組を崩すことなく、間取りの整理を行いながらプランニングをしたことで省エネや耐震性の向上を満たしました。
古民家の良さは傷んだ部分を交換していくことで何百年と引き継ぐことが可能です。それは伝統建築で建てられた木の家が持つ利点でもあります。世代を超えて本物の素材の魅力に飽きずに永く住んでいただけるような住まいになったと思います。
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木物件情報
延床面積:77坪
部屋数:L・D・K・S+5部屋
ロケーション:河川敷住宅街
建築写真: 輿水 進
小林 輝子
小林輝子建築デザイン
埼玉県
HP:https://pichan.com/
2008年6月アトリエきらら一級建築士事務所を開設し個人住宅を中心に設計のご依頼を受けて参りました。老後の住まいを見据えての住まいづくりをご検討されているお客様からのご相談が多く、建替えやリフォームのご依頼で家を建てることが初めてではない方からのご依頼が多いことが当事務所の特徴となっております。近年では、子育て世代や単身の方からのご相談も増えております。当事務所では設備・構造事務所と協同しながらお客様のご要望に応えられる性能や住み心地を確保できるよう努めています。住宅の快適性については様々な考え方がありますが、暮らしのなかで目に見える仕上げ材は漆喰や木材など無垢の自然素材を使用し四季折々の空気を五感で感じながら過ごせる住まいになるように考えております。 事務所開設から15周年を機に2023年4月小林輝子建築デザインに改称しました。今後は小規模のリフォームなどの改装にも対応できるように業務を行っているところです。