作品紹介
三十代のご夫婦と、お子様二人のためのお住まいです。周辺には瀬戸内に面する集落によく見られる焼杉板張りの民家が多く残っています。このお住まいにも焼杉板を採用し、少しでも馴染みある風景を残していけるように。屋根の架け方を工夫することで周辺への圧迫感を抑え、町並みに対しての調和を意識することにより、風景の一部として参加することを考えました。周辺環境から読み取った日照条件を元に建物配置、開口部、庇の出寸法などを決定し、可能な限り南側から得られる自然光による熱エネルギーを取り入れる工夫をしています。季節によっては建物の奥まで届く太陽の光が、時間毎に移り変わっていく素朴な体験には、過ごす中で嬉しさが込み上げてきます。合わせて気密・断熱性能をしっかり確保しているため、何よりも身体に優しい環境となり、結果省エネルギーで過ごすことのできるお住まいです。
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<物件情報>
家族構成 :夫婦+子供2人
部屋数 :LDK+4部屋
広さ(坪数):34坪(半屋外除く)
ロケーション:住宅街
田中 秀宗 栗栖 幸枝
一級建築士事務所 hifumiarchitects / ヒフミアーキテクツ
兵庫県
HP:https://www.123archi.com/pages/732176/page_201602191132
素朴で機能的であること、住まいとして強さと性能を満たす造り。その中に洗練された空気感と纏う建築を目指しています。建築や住まいを考えるとき、間取りや大きさ 性能といった現実的な諸問題に始まり、建物が建つこととなる敷地との関係性、その先にある周辺環境にも気を配ります。その場所で続く そして新たに始まる 日々の暮らしや営みといった風景を想像し、ときに観察しながら 人と人、人とモノ、人と様々な環境との 間 に居心地の良い状態を設計できればと考えています。景観十年・風景百年・風土千年という言葉があります。食べること、つくること、生業や哲学すること、休息といった 人の営み そのものの積み重ねが 景観を、そして風景をもつくり出していると考えています。住まいは、その風景の中の最小単位であると言えます。