作品詳細
元棲林居は不動産デベロッパーをクライアントとする建売住宅2棟の計画である。それぞれ約30坪の土地に1棟づつ計画することを求められたが、こうしたミニ開発を地域の連続的な風景を破壊するものではなく、むしろ修景として作用させるべく、60坪に2棟建てるような計画とした。防火規制をクリアしつつ、杉板張りの連続的な外壁を形成、それを背景として、敷地境界線をまたいで、まとまった庭を計画した。
かつて東京には隣りの庭先を借景として楽しむおおらかさや文化があった。そんな木造民家が数珠繋ぎになって連続的でギャップのない街並みが形成されていた。
いわゆる建売住宅という名のミニ開発は、厳しい防火規制や経済的理由から地域の文脈を寸断させてしまうことが多いが、棲林居では大胆な木材の利用や、まとまりのある緑化計画に修景の可能性を見た。
浅利 幸男
ラブアーキテクチャー 一級建築士事務所
東京都
https://www.lovearchitecture.co.jp/
デザインは人間の感覚や感情に何らかの影響を及ぼそうとすることで、我々建築家は生物としての人間の性質を深く理解することが大切です。住まいの設計は建築の中で唯一、施主=個人への探究行為で、「本当に自分が住みたい家」は事前には良く分からなく、探究の結果、事後的に理解されるものなのです。
プランや機能を満足させることは当然の事だと考えていて、豊かな情緒や美しい佇まいをデザインすることを主眼としています。新築/リノベーション、専用住宅、別荘、賃貸又は店舗併用住宅、ゲストハウス等、日本全国で対応可能です。