作品詳細
中山間地域である邑南町に建つ、4人家族のための住宅。
水まわりなどのプライバシー性の高い箱状のボリュームの上に、山陰特有の風雨や積雪を凌ぐ大屋根を架け、周辺の自然環境を最大限に取り込んだ生活を実現している。
夏季は大屋根により日射を最小限に抑さえつつ棚田からの涼風を受け止め、冬季は日射を最大限取り込みながら、積雪時の雪ずりを道路側溝に落とすことで、雪かきの手間を低減している。
自然と一体となった住環境を実現している大屋根を支える方杖は、ワンルームのような空間を柔らかく仕切り、繋がりながらも適度に距離感のある生活が可能となり、コロナ禍でものびのびと子供達が自然を感じながら成長することを願っている。
施工者:坂根住宅
構造:木造
用途:専用住宅
階数:2階建て
延床面積:103.24㎡
吉本 英正 / 三宅 正浩
株式会社 y+M design office
兵庫県
http://ymdo.net/
instagram:https://instagram.com/ymdesignoffice?utm_medium=copy_link
建築デザインは、クライアントのライフスタイルに沿ったものでなければならないと考えます。現在の生活パターンや趣味趣向に至る細部まで聞き込み、クライアント自身がまだ気づいていない潜在的な要望を掘り起こし、提案の際に盛り込むように心がけています。
具体的には、家族と地域社会、家族と近隣の方々、家族と親類といった様々な形の「人と人のつながり」をどのようにして持続させるか、を考慮しそのための建築デザインとは何か、を常に考えています。
また、環境問題に対する認識が高まる中で、エアコン等の電気設備の一部は、もはや生活になくてはならないものとなっていることも事実です。それらをできるだけ使用することなくかつ快適に過ごすことができる空間(住宅)を創ることが必要だと考えます。