バルコマデラ

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作品詳細

築31年のRCマンション12階の部屋のリノベーション。設備はとても古く、壁や換気口からの雨漏れがあり、外壁・屋根面の断熱はなく、北側の個室には壁掛けエアコンが取り付けられない(室外機が置けない)ために寒さ(暑さ)と結露に悩まされていました。他の古いマンションと同じように、南北の空気の流れが考えられていない既存プランで、ただし12階という高さのために外は強い風が吹くという状況。その意味では夏は比較的涼しいのですが、強い風のコントロールが難しい。キッチン・脱衣などは各々狭い部屋に入っていて、ここもむろん空気は流れず、夏はとても暑い。当然全体的な動線も良くないという状況でした。
そこで、スケルトンのフルリノベーションとして間取り全体のプランから考え直し、断熱はもちろん、キレイな風の道と回遊動線を作り、広々と心地よく住むことを第一のコンセプトにしました。各々が狭い4DKという間取りを、1LDK+小上がり和室として不要な間仕切りをなくし、キッチンと浴室というコアの周りをグルリと回れる『回遊動線』を作り出します。そしてこの回遊動線を利用し、もともと流れが繋がっていなかった南北の窓に、新しいプランにより風が真っすぐ通る『3本の風の道』を落し入れます。

小上がり和室では、部屋を簡易的に間仕切る6枚の障子襖を工夫して、L型配置であるのに1ヶ所に引き込めるようにしています。また、カーペット敷であった床は、濃く塗られた杉の無垢フローリング敷きにするが、音の問題を解決するために緻密な施工の高性能乾式遮音二重床としています。 天井は一部にレッドシダーを色乱張りし、壁には浅い凹凸があり、調湿性の高いシラスを塗っています。あまり天井面には照明をつけず、壁面照明で灯りの重心を下げてウグイス色のシラス壁の凹凸を照らし、少し立体感を作り出して居心地と落ち着いた意匠性を丁寧に作り上げました。

広さ;延床面積・・・71.29㎡(21.57坪)
ロケーション;都心(駅前)
部屋数;LDK+寝室= 2室

斉藤和人

アグラ設計室
三重県
URL;https://agra-designroom.com

三重県伊勢市生まれ。大学在学中に一年間シアトルに留学(遊学?)し、以降、大学卒業までにアルバイトをしてはアメリカ・カナダ・アラスカ等にて大型バイク・アメ車での大きな冒険旅行を繰り返し、世界の大きさと自然の偉大さを知る。卒業後は、清水建設株式会社に入社。都内で大型事業用物件の現場管理者として就業し、S造・RC造・SRC造の施工監理と、毎日数百人という作業員管理等、現実の建築界の幅の広い経験を持つ。その後、念願の住宅建築修行のため単身スペイン・アンダルシアに渡り、マラガ、カディスという街で住民として生活。この時期に現在のアグラ設計室の基盤といえる設計術・設計思想を培う。帰国後、小倉市の㈱豊川建築研究所(丹下健三系設計事務所)に入所し、戸建住宅や店舗などの設計監理業務を担当。その後は、集合住宅の設計監理や開発などの申請業務を経験。2007年『アグラ設計室一級建築士事務所』を設立。スペイン生活で感じた生きる事・暮らすことの楽しさと、また海外で生活をしたからこそ改めて感じる【和】の良さ・木造の心地良さを突き詰め、日本人に合った【木造の和モダン住宅】を、ちょっぴりスペインテイストを入れて提案している。趣味は、薪ストーブ。毎冬チェーンソーを担いで山に伐採に入るところから、このナチュラルな暖房器具を楽しんでいる・・・。

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