作品詳細
間口5.4mの楔形をした88㎡の小さな敷地にこの家は建っている。
敷地の東側は交通量の多い幅員20mの道路、南側は野球グランドやテニスコートを備えた緑豊かな公園に面している。
公園では遊具で遊ぶ子供達、愛犬と散歩をする老人、季節によって表情を大きく変える銀杏並木等の既存風景がこの家が建つ前から存在していた。
「白のコラージュ」は元々存在する周辺の日常風景と、その中に住宅が建つことによって生まれる新しい生活の風景がコラージュされひとつの風景になることが意図した。
建築が限定した敷地の上にあり続けるために普遍的な周辺環境との関係構築は重要で、そして継続的なテーマである。
この住宅では隣接する公園の様々な風景の断片を内部に取り込むために、また建物の外皮の一部になるように厚さ0.35ミリのステンレス板が室内外に貼られている。
この薄いステンレス板に映り込むやや歪んだ風景は時間の流れや季節の変化と共に刻々と変化する。
構造:鉄骨造 地下1階地上3階建て
敷地面積:88.00㎡(26.62坪)
建築面積:47.76㎡(14.45坪)
延床面積:119.03㎡(36.01坪)
山内 圭吉
有限会社山内圭吉建築研究所
北海道
https://www.yamauchi-arc.com
「そこにしかない建築」
「建築」は一度建てられるとその場所に何十年もの長い時間建ち続ける事になる。
言い方を変えると、長い時間その場所に建ち続ける事が出来る理由が必要と言える。
長い時間その場所に建ち続けるため、 「建築」のデザインの拠り所は思い付きやひらめきに頼るのではなく、 もっと深く普遍的であるべきと考えています。
我々の設計は敷地を読み込むところから始まります。
感覚の感度を上げて敷地に立ち、周辺を歩き廻る。
周辺の建物、日の動き、風、足から伝わる土の感触を感じ取り、 敷地がもともと持つポテンシャルをブラッシュアップして 「そこにしかない建築」を提案します。