作品詳細
札幌市の南東、周辺は自然がまだ少し残る住宅地の中、緩やかな坂道を下りきった角地にこの家はある。敷地形状は元々1.4mの高低差があり、早い段階でコストを考慮し敷地形状には手を加えないことにした。
いくつかの案が検討されたが、ちょうど半階にあたる高低差1.4mを利用したスキップフロア案が比較的スムーズに決定した。
スキップフロアによりこの建物にはいくつかのアイレベルがあり、立つ位置によって視線が繋がったり遮断されたりし、それに伴いスペースとして認識する領域も拡張または縮小する。
それは領域の変化と同時に家族間のコミュニティの密度も変化する事になる。
構造:木造 地下1階地上1階建て
敷地面積:165.23㎡(49.98坪)
建築面積:76.50㎡(23.14坪)
延床面積:103.77㎡(31.39坪)
山内 圭吉
有限会社山内圭吉建築研究所
北海道
https://www.yamauchi-arc.com
「そこにしかない建築」
「建築」は一度建てられるとその場所に何十年もの長い時間建ち続ける事になる。
言い方を変えると、長い時間その場所に建ち続ける事が出来る理由が必要と言える。
長い時間その場所に建ち続けるため、 「建築」のデザインの拠り所は思い付きやひらめきに頼るのではなく、 もっと深く普遍的であるべきと考えています。
我々の設計は敷地を読み込むところから始まります。
感覚の感度を上げて敷地に立ち、周辺を歩き廻る。
周辺の建物、日の動き、風、足から伝わる土の感触を感じ取り、 敷地がもともと持つポテンシャルをブラッシュアップして 「そこにしかない建築」を提案します。