作品詳細
敷地は、豊かな自然に恵まれた起伏に富む住宅地にあって、一方は地区の幹線道路に、もう一方は急勾配の狭隘道路に接しています。敷地自体にも緩やかな勾配が付いていたため、これに沿うように数段の床レベルを設定することにより、土工事量を軽減するとともに、建物内外の自然なつながりを実現したいと考えました。北側の狭隘道路に対しては、高い壁が立ち上がることを避けつつ、敷地の長さを建物のデザインに反映すべく、架構のあり方、素材の選択とその使い方、開口部と構造の関係について検討を重ねました。木と漆喰で仕上げられた内部は、床の段差による視点の変化が日々の暮らしに豊かさをもたらしています。
陶山 良雄
陶山設計工房
福岡県
HP:https://www.suyama-ar.com/
「住む」は「澄む」
その場所で過ごすことで、心も体も清らかになる。住まいとはそういう場所であるべきではないかと考えます。
であれば、それにふさわしい素材で構成された、それにふさわしい空間であってほしいと思います。
窓から見える緑や、吹き抜ける風、風に揺れる葉ずれの音も、浄化の役割を担ってくれていることにも目を向けたいと思います。