作品詳細
<敷地環境>
都内の閑静な住宅街。最寄り駅までは徒歩5分かつターミナル駅へのアクセスも容易な都心部に位置する。
周辺は傾斜地域となっとおり、 一方通行の狭い道路も多く、人・車の行き来が比較的激しい場所で、計画地は2面道路に面した角地である。
<施主からの要望>
計画地の利便性から周辺には多くのアパート、マンションが乱立しているが、そのような厳しい集客条件の中でデザイン性での差別化、収益面でのコスト管理、住み手にとって付加価値のあるアパートメントとすることを求められた。
<設計コンセプト>
決して大きな敷地ではない為、高度斜線をケアする一方で、傾斜地という条件である事から雨水にも適切に対処せなばならず、各所の地盤面と建物内部のレベルを綿密に検討する事が求められ、その中にあっていかに快適な居住空間を創るかが課題であった。
当初は傾斜地という地盤のレベル差を活かし、スキップフロアーとする案なども検討されたが、コスト的なこと、使い勝手等を考慮し、最終的には敷地をフラットに造成する案を採用した。
外観は都会的なイメージにあわせ、ホワイ トのサイディングとブラック色の板金によるシンプルな2色とし、形状に合わせ、使い分けをしている。
中央のエントランスアプローチスペースは、北側住戸にも光が入り込むように吹きさらしとし、かつアルミルーバーで囲うことで、周辺からの視線をやわらかく遮っている。
3住戸で構成されている。
個室間の壁を可動間仕切り戸とすることで、大きなワンルームとしてもしても2部屋の個室としても使用できる可変的なプランなど、内部プランは都会での多岐に渡る住み方に応えられる様、全て異なるプランとした。
そのうち、1住戸はメゾネットタイプとなっている。
場所:東京都渋谷区
構造:木造
用途:共同住宅
竣工:2016年
竣工写真 撮影/北嶋俊治
岩瀬 行泰
岩瀬アトリエ建築設計事務所
埼玉県
HP:https://iwase-atelier.com/
本来、「建築」とは与えられた環境や敷地形状、クライアントの感性、ライフスタイルなどあらゆる要素の中から生まれてくるものであり、それゆえひとつとして同じスタイルの作品が存在するはずがないと考えます。「住宅」を例にした場合、そこに作り上げられる空間には快適性はもちろんのこと、光や風をいかに空間の中に取り入れ自然環境との共生をどう考えていくかをテーマに創りあげていきます。また、「アパートメント」や「オフィスビルディング」などの収益性を求められる場合には、優れたデザイン性により建物自体の資産価値を高め、高い収益性を長期にわたり安定して供給することを目的とし、作品を作り上げていきます。
「建築」にはそこに住まい生活する人の人生観を変えてしまうほどのエネルギーを持ちえると考えます。単なるモノづくりではなく、人と環境が調和し、時に風化しない普遍性を持ち、都市景観の創造に先導的な役割を果たす作品を一つ一つ丁寧に創りあげていく、「アトリエ」としての仕事にこだわり続けていきます。
私達は、皆様から設計料を頂いて設計活動を行います。「岩瀬アトリエ」では限られた予算の中で、より機能的で、かつ経済的な設計を行い、デザイン性のみならず使い勝手や品質等にこだわり、時間をかけた質の高い建築を目指しております。