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都会から移住し、風光明媚な家で家族と共に豊かな暮らしを楽しむ家

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作品詳細

桜並木が美しい鬼怒川緑道の脇に位置する603坪のゆったりした敷地です。横長27mの棒状の建物が「美術館のようなおおらかな佇まい」を見せています。子供2人を育てる若夫婦が、ゆったりと余裕をもって暮らすべきであると決断し、松戸市から宇都宮市の実家に移ることにしました。もと在った両親の家を改築することで一緒になって皆で共に住まうようにしたわけです。
ファミリーヒストリーを想ってもらいたいと考えました。にわの南端の古井戸を「歴史的なもの」と見做し「芯」に据えることにしました。その「芯」にたいする建築の「構え」をこだわって創り込みました。「道行き」を重視したデザインにてまとめました。
「道行き」は実は内部にも引き続きます。玄関に続く廊下の形状をZ 字型にしました。祖父母室を包みまわり込むようにしています。帰宅した孫たちの気配を祖父母が感じさりげない交流がなされるよう図っています。そうした重要な気付きが儀式としてなされた後に、子供たちは初めてクライマックスとしてのリビングルームへと至ります。木造住宅ではありますが平屋のメリットを活かし、トラス組み採用で、36帖大4mの高天井の大空間を実現させ「華やか」にしています。
各空間が、多彩に現れるように道行き演出を工夫しました。こだわりを続け、かけがいのない住まいを実現したいとしました。家族の皆に愛され、末永く存続するよう強く念じました。

撮影:Toshiharu Kitajima

渡辺 純

株式会社JWA建築・都市設計
東京都
https://www.jwa-tec.com

1978年東京大学建築学科卒業。ハーバード大学大学院修了。I. M.ペイアンドパートナーズニューヨーク、槇総合計画事務所を経て、1990年にJWA建築・都市設計を設立。アメリカ建築家協会AUSTIN CHAPTERデザイン賞2回、マイアミビエンナーレ2003居住部門ゴールドメダル、グッドデザイン賞2011~2012年、2014~2018年、2020~2021年度に受賞。アジア建築家評議会賞を2014年に当該年度日本人唯一受賞者として受賞他。また後進育成としては2014~2016年香港中文大学客員教授など。


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